メニューの終端です。

文化財保護の歩み

[2013年10月11日]

文化財保護のはじまり

 明治維新の後、西洋文化の流入や廃仏毀釈などによって伝統文化が軽視されるようになり、日本古来の文化財は民間・海外への流失や破壊の危機に直面しました。このような状況に対して、明治政府は明治4年(1871)に太政官布告第251号「古器旧物保存方」を発布するとともに、古社寺や正倉院の宝物調査を始めます。さらに明治13年から27年にかけて「古社寺保存金」という今で言う補助金が出されて、社寺建造物の維持修理に使用されました。

 日清戦争後の、明治30年には当時内務省と宮内省によって行われてきた文化財保護行政を内務省に一本化するとともに、現在の文化財保護行政の原点とも言うべき「古社寺保存法」が制定されました。これによって、特別保護建造物や国宝などの処分、差押の禁止、監守義務、国宝の博物館への出陳義務・罰則などが定められました。その後、大正2年に保護行政は内務省から文部省(宗教局)に移管され、現在に続くこととなります。

 また、遺跡に関しては、明治7年(1874)に太政官達第59号「発見ノ古墳届出方」、明治13年(1880)に宮内省達乙第3号「人民私有地内古墳等発見ノ節届出方」が出され、古墳の発掘規制・不時発見の届出制が定められました。その後、出土遺物に関して明治32年(1899)に遺失物法が制定され、同年内務省訓令第985号「学術技芸若ハ考古ノ資料卜為ルヘキ埋蔵物取扱ニ関スル件」などが出されました。

 大正時代となると土地の開拓、道路や鉄道の新設、さらには工場などの設置によって、史跡、天然記念物の破壊が進んできました。そこでこうした史蹟名勝天然紀念物(戦後は「史跡名勝天然記念物」と表記)を破壊から守るために、大正8年(1919)には「史蹟名勝天然紀念物保存法」が制定されました。ここでは、史蹟・名勝・天然紀念物は内務大臣が指定すること、地方公共団体を指定して紀念物の管理を行わせることができること、さらには現状変更などの制限、環境保全命令の規定、違反に対する罰則などが定められました。なお、こちらも制定時は内務省の所管でしたが、昭和3年(1928)に文部省に移管されました。

古社寺以外の文化財の認定へ

 その後、昭和初期の経済不況によって、古社寺保存法の対象外の文化財、特に旧大名家の宝物類などが散逸する状況が起こるとともに、旧幕府体制の崩壊後長く放置されていた城郭建築の保護が必要となりました。そこで、古社寺保存法にかわって昭和4年(1929)には「国宝保存法」が制定され、保護体制が強化されていきます。建造物、宝物その他の物件で、特に歴史の証徴、美術の模範となるものを文部大臣が国宝に指定することができることとし、古社寺保存法では特別保護建造物、国宝と分かれていたものを、国宝に統一しました。

 また、昭和8年(1933)には「重要美術品等ノ保存ニ関スル法律」が制定され、歴史上または美術上特に重要な価値があると認められる未指定物件の輸出または移出は文部大臣の許可を要することとされました。海外流出を防ぐために迅速な調査が行なわれ、主として個人所有の優品に重点を置いて認定が行なわれました。

文化財保護法の制定

 戦後は、昭和20年(1945)10月に重要美術品の認定事務、名勝・天然紀念物の指定事務が再開され、疎開先からの返還などが進められました。さらに、昭和22年(1947)5月に帝室博物館が文部省所管となって国立博物館と改称し、指定事務を扱うようになりました。そうしたなかで、昭和24年(1949)1月、法隆寺金堂壁画が焼失するという事件がおこりました。

 法隆寺金堂壁画焼失事件を契機に、昭和25年(1950)5月30日に「文化財保護法」が議員立法により成立しました。その特徴は、新たに「文化財」の概念を採用したとともに、無形の文化的所産で歴史上または芸術上価値の高いものも「文化財」として新たに保護対象としたこと、また、土地に埋蔵されている文化財(埋蔵文化財)についても法律による保護対象としたことです。これにより有形文化財、無形文化財、史跡名勝天然記念物、埋蔵文化財という文化財の分類ができあがりました。

 その後、社会情勢の変化に対応して昭和29年・昭和43年・昭和50年(伝統的建造物群保存地区)・平成8年(登録文化財制度)・平成11年・平成17年(登録文化財制度の拡充と文化的景観の追加)というように幾度もの改正を経て、新たな制度を取り入れながら、拡充がなされ、現在に至っています。

 また、地方自治体でも「文化財保護条例」などを制定し、都道府県または市町村独自に文化財指定や補助金交付、調査研究を行いながら、地域レベルでの文化財を守る取り組みが連綿と続けられています。

ご意見をお聞かせください

このページは役にたちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

このページに関するご質問やご意見は、下記「お問い合わせ」へご連絡ください。

お問い合わせ

古河市役所 教育部生涯学習課

電話: 0280-22-5111(古河庁舎・代表) ファクス: 0280-22-7114

お問い合わせフォーム


文化財保護の歩みへの別ルート