第2回古河市景観賞

更新日:2020年11月30日

第2回古河市景観賞

第2回古河市景観賞は、平成30年5月1日から平成30年7月2日に募集しました。 応募のうち、次のものが受賞となりました。

古河景観まちなみ賞(まちなみ建築部門)

市内にある建築物、工作物、その他の物件で、優れた景観のものを表彰します。

レストラン SUNROSE

昭和8年に建築された日本家屋をレストランとしてリノベーションし、当時の日本建築技術を駆使した良さと現在では手に入らない建築資材、建具を充分に残したデザインとなっており、旧日光街道繫栄の歴史を物語っております。
また、敷地内には樹齢100年を超える樹木が2本あり、古河市内の中にありながら店内から観る風景は緑溢れる別世界の様です。

講評

昭和初期の古河旧市内に建てられた商家を伝える貴重な建物です。
当家は、曳家工法により移動する折も、庭の大木を避け外観を保存しながら、整備したことは評価すべき点です。樹齢100年となる樹木と建物の調和がすばらしく、古くて新しい佇まい、古河らしい品格を感じられます。
また、レストランとして活用するとともに、地域のマルシェ等開催するなど地域の交流の場とし、建物を有効に活用されており、建物の維持管理、外観との調和のとれた景観は受賞にふさわしい作品です。

GALLERY&CAFE HYGGE(ミトベ写真館)

ミトベ写真館創業者の水戸部正三郎が昭和初期に古河市紺屋町に開業して以来、長い間営業してきた場所から西に20メートルの地に移転しました。2016年2月に新たにGALLERY&CAFE HYGGE ミトベ写真館としてオープン、営業しています。HYGGE(ヒュッゲ)とは、デンマーク語で、人と人とのふれあいから生まれる、暖かな居心地の良い雰囲気という意味の言葉です。
設計者は、古河歴史博物館等を手掛けた故吉田桂二氏と同じ設計事務所となっております。

講評

古河の歴史、伝統、文化全てにおいて、理解の深い設計者を選定し建物の形状、意匠、材料まで踏み込んだ取り組みは、高く評価できます。街なかで、上品にさりげなく建てる良識を形にした景観で、品格とセンスを感じます。建物が外部環境に果たす役割を認識されていることも評価すべき点です。

古河鍛冶町みらい蔵

元塩問屋として使用されてきた、歴史ある木造創りの建物を所有者である今城敏和氏から借用し、古河市の財産として活用すべく「合同会社古河鍛冶町みらい蔵」を立ち上げました。蔵を活用したまちなか再生事業による企画・運営を目指し、歴史の街「古河」にふさわしい、白の漆喰壁を基調に重厚な建物として保存されました。
現在、3店舗が入り、各々個性ある料理を提供し連日にぎわっております。

講評

歴史ある建物を活用し、街なかの再生事業に取り組んでいる点は高く評価できます。周辺に立地する蔵のある街なみとの連続感、一体感を大切にした街なみづくりに配慮しております。一方、屋外広告物が目立っている点が残念です。店らしさ、建物が活かされるよう工夫が必要と思います。

大橋醤油店 諸味蔵

諸味蔵 2棟 (571.38平方メートル、419.01平方メートル)の中で、江戸時代から現在に至るまで、蔵と木桶に棲みついている微生物によって諸味を自然に発酵熟成させる天然醸造の醤油を造っています。

[建築:弘化二年(1846年)]
阪神淡路大震災(平成7年、1995年)後、将来に備えて曳家を頼み大掛かりな補修をした際、一部の七尺木桶(高さ・直径:約210cm)を解体しました。その時に野田市の木桶職人が弘化二年という刻印を見つけました。木桶は設置する建物の中で組み立てるので諸味蔵は弘化二年以前に建てられたと推測します。

[工法]
土台と柱を固定せず瓦の重みも利用することで、たわんだり傾いたりしながら地震の揺れを建物全体で受ける昔ながらの工法によって建てられており、曲り木も随所に使われています。

講評

往還道の裏手に建つ土蔵で、この地域、幕末を知る上で大変貴重です。
かつて市内には、酒蔵・醤油造が何件かありましたが、醤油店では当家が唯一
残るだけとなりました。
景観は市民、地域住民の共有財産でもあります。今後のメンテナンス、維持
管理について管理者、地域の方と方向性を定めていく事が必要と思われます。

株式会社ぬた屋鮒甘露煮店

古河市内には200棟とも250棟とも数える様々な姿・形をした数多くの蔵があります。
その蔵の宿場町に似合うものとして、老舗ぬた屋に蔵造り店(たな)を合せ、城下町古河にイメージすべく蔵を建設しました。旧日光街道 古河城御茶屋口門址を曲り歴史博物館に向う文化の漂う街並に建っております。

講評

郷土古河への愛着を建物改修で行ったと感じます。古河市内に残る蔵の造形を意識し建物を改修して、お店のイメージアップがよりできたと思います。

古河景観ふるまい賞(景観まちづくり活動部門)

おおむね2年以上継続している活動で、古河市景観に貢献している団体を表彰します。

諸川谷貝線沿道、八俣幸島土地改良区内清掃活動

活動内容

八俣幸島土地改良区の水田沿いの諸川谷貝線にて、水田及び農道の除草作業とともに、沿道に落ちているごみも拾っています。
ごみや除草を放置すると病害虫の発生の要因になるので、行政区内で自主的に年2回(6月、9月)と決め実施しております。活動期間は約30年間になります。

講評

行政区内で、年2回(6月と9月)自主的に活動されており、30年も続く清掃活動には、頭の下がる思いです。今後も継続していくための工夫をされると良いと思います。

シニアボランティアグループ

活動内容

古河駅を挟んで南北高架線に沿って四季の径(みち)があります。皆さんの憩いの散歩道として多くの人が通る一角に、堆肥状態のごみの山がありましたが、行政に話をし、きれいに片づけました。
不法投棄・犬のフンの立て看板作成、植込みの中の空カン、空ビン拾いや、街路灯の電球切れの連絡等、多岐に渡り6年間継続して活動している団体です。

講評

通勤、散歩者が多く通行しますが、道と住宅地が隔離されており、グループの清掃により、通行者が気持ちよく利用できています。清掃活動以外にも、街灯電球(球切れ)の見守りなど、素晴らしい取り組みです。

国道354道路大堤 美化活動

活動内容

国道354道路は交通量が多く、ゴミのポイ捨てや風などでゴミが飛んできて困っておりましたが、平成15年ごろから除草作業と花(ルピナス・アジサイ)を咲かせるようにしました。その結果、ポイ捨ゴミも減り、美観が維持され、皆様方に大変喜んでいただいています。ルピナスの花が咲くと遠方の方が写真を取りに来ます。
※開花時季
  1.ルピナス   4月20日 ~ 5月下旬
  2.アジサイ   5月下旬 ~ 6月下旬
  3.キク       11月下旬 ~ 12月中旬

講評

家族的な活動のようですが、年に3回、彩の異なる花を咲かせることにより、ゴミの投げ捨てが減っていることは、非常に良い取り組みになっていると思います。美しさが維持されることで、通る人の心が和むと思います。

一般社団法人茨城県古民家再生協会 古民家 山川邸における古河農泊プロジェクト

活動内容

(一社)茨城県古民家再生協会は、古河市を拠点として、2012年に設立しました。地域に残る伝統的木造建築「古民家」の現地調査をはじめ、耐震診断、床下インスペクションなどの調査活動により古材(こざい)を活かした修復再生に取り組んでいます。歴史的にも文化的にも価値ある古民家が空き家となり放置される前に、保存、管理するだけでなく、人々が集うコミュニティの場としても再生することで、地域の景観を観光の面から見ても魅力ある存在に育てる活動を行っています。
現在は、古河市恩名にある築140年を超える「山川邸」を舞台として古河農泊プロジェクトをスタート。地域の農家の方々とも連携し、農業体験をしながら古民家に宿泊するモニターツアーを実施しております。

講評

古河市の食、農、文化だけではなく歴史や伝統にも触れる機会を積極的に生み出し、かつ、広範囲に情報を発信し、古河の魅力を伝えていることは、非常にすばらしく、高く評価できます。

この記事に関するお問い合わせ先

古河市 都市計画課 
所在地:〒306-0198 茨城県古河市仁連2065番地
電話番号:0280-76-1511(代表)
ファックス:0280-77-1511
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