―「働く」を知り、「自分はどう働きたいか」を考える― 高校生・大学生が市内の先進企業等を訪問しました
古河市では、高校生・大学生が市内の企業等を訪問し、ダイバーシティやワーク・ライフ・バランス、多様な働き方について学ぶ「先進企業等訪問プログラム」を実施しています。
今年度は、トモヱ乳業株式会社、三桜工業株式会社、一般社団法人Burano、古河市役所の4か所を訪問しました。
職場の見学や働く方々との対話を通して、学生たちは「働きやすい職場とは何か」「多様な人が共に働くために必要なことは何か」、そして「自分はどのような働き方を大切にしたいのか」について考えを深めました。
―社員の働きやすさを問い続ける―トモヱ乳業株式会社

まず訪問したのは、牛乳や乳飲料などのチルド食品を製造するトモヱ乳業株式会社です。
工場は24時間体制で稼働しており、機械化が進む一方で、機械が正常に動いているか、製品の品質が保たれているかを確認する仕事も欠かせません。深夜勤務もあるなど、製造現場ならではの大変さがあることを学びました。
そのような中で、同社が特に大切にしているのが「社員の健康」です。「医食同源」の理念のもと、2019年に「健康経営宣言」を掲げ、2019年から継続して「健康経営優良法人」の認定を受けています。健康に配慮した社員食堂や、社員の運動を促す仕組みづくりに加え、年間休日を少しずつ増やすなど、社員が健康に働き続けられるよう、さまざまな工夫が行われていました。

また、社長との食事会や、管理職が会社で働く皆をおもてなしするバーベキュー大会など、経営者・管理職と社員が積極的にコミュニケーションを図る機会も設けられていました。働きやすい職場環境を一度整えて終わりにするのではなく、環境や社員の変化に応じて、より良い会社の在り方を考え続ける姿勢が印象的でした。
今回の訪問を通して学生たちは、制度や設備を整えるだけでなく、職場の中で対話を重ねながら、働きやすい職場をつくり続けていくことの大切さを学びました。

―違いを前提に、誰もが働きやすい職場をつくる―三桜工業株式会社

続いて訪問した三桜工業株式会社では、さまざまな国や地域にルーツを持つ人々が共に働く職場について学びました。
日本国内の社員のうち約1割が外国籍である同社では、社内のさまざまな場所に多言語表示を設けたり、外国人社員にも伝わりやすい「やさしい日本語」を取り入れたりするなど、言葉の違いを前提とした工夫が行われています。また、ムスリム(イスラム教徒)のための礼拝室を設置するなど、宗教や文化的背景への配慮もなされていました。
多様な背景を持つ人が安心して働くためには、制度や設備だけでなく、日常的な関わり合いも大切です。社内には、誰でも気軽に利用できるコミュニケーションスペースが設けられており、休憩時間の何気ない会話が、社員同士の関係づくりや仕事上の円滑な連携にもつながっていることを伺いました。
工場見学では、普段目にすることの少ない機械やロボットを間近で見ることができたほか、社員の皆さんが私たち見学者に自然に挨拶をしてくださる様子や、作業現場・通路で指差し確認が徹底されている様子も印象的でした。
今回の訪問を通して学生たちは、多様性のある職場とは、さまざまな人がいることだけではなく、それぞれの違いを尊重し、一人ひとりが安心して力を発揮できる環境を日々つくっていく必要があることを学びました。

―「できない」と決める前に、「できる方法」を考える―一般社団法人Burano

今年度、新たに訪問したのが一般社団法人Buranoです。
Buranoでは、医療的ケア児とその家族を支える活動に加え、医療的ケア児の母親が働く場をつくるなど、子どもだけでなく家族全体を支える取組が行われています。医療的ケア児のいる家庭では、病院と家庭を行き来しながら、24時間体制で子どもに付き添う必要がある場合もあります。そのため、子どもの居場所だけでなく、きょうだいの居場所、家族の居場所も含めて支えていく視点が大切であることを学びました。
Buranoが大切にしているのは、「障がいがあるから難しい」と線を引くのではなく、「どうすれば一緒にできるか」を考えることです。その考え方は、インクルーシブキャンプや、障がいの有無にかかわらず誰もが楽しめるキッズフェスなどの取組にもつながっています。

また、現場では、看護師や保育士など異なる専門性を持つ職員が連携しながら働いており、それぞれの立場や考え方の違いを理解し、率直に意見を交わし合える関係づくりが大切にされていました。多様な人が関わる場だからこそ、互いを理解しようとする姿勢が重要であることを実感しました。
子どもたちの成長についても、「立てるようになる」「話せるようになる」といった一方向の発達だけでなく、何かを見つけたり、自然に心を動かされたりする経験を「横への発達」として大切にしているというお話がありました。一人ひとりの心に残る経験を重ねていくことの大切さに、学生たちも深く考えさせられた様子でした。
今回の訪問を通して学生たちは、「できない」と決めつけるのではなく、「どうすればできるか」を考えることが、多様な人が共に生き、共に働く社会につながっていくことを学びました。
―「誰のために働くのか」を考える―古河市役所

最後に訪問したのは、古河市役所です。
今回は、市役所で働く職員から、市役所の仕事や働き方について話を伺いました。夫婦で市役所に勤務する職員、若手職員、副市長など、それぞれ異なる立場のお話を聞くことで、市役所という職場を多角的に知ることができました。
市役所では、仕事と私生活の両立を支える制度が整えられているだけでなく、それらの制度を利用する職員を周囲が支える風土や、上司の理解も大切にされています。制度があるだけではなく、実際に利用しやすい職場環境が整っていることが、働き続けるための重要な要素であることを学びました。
また、市役所の仕事には、自分が暮らす地域に直接関わることができるという大きな特徴があります。道路や公園などの生活環境の整備、子育て支援の充実をはじめ、仕事の成果が市民の暮らしに結び付いていくことは、市役所で働くやりがいの一つであることが、学生たちにも伝わったようです。
さらに、日々の窓口業務や市民との対話を通して地域の課題を知り、市民とともに解決に取り組んでいくことも、市役所の重要な役割です。学生たちは、行政の仕事を通して「地域に貢献したい」という思いを具体的な形にできることを実感したようでした。
今回の訪問を通して学生たちは、仕事内容や待遇だけでなく、自分は誰のために働きたいのか、どのような環境で力を発揮したいのかを考えることも、進路や働き方を考える上で大切な視点であることを学びました。

4つの職場から考えた、「働く」ということ
今回訪問した4か所は、仕事の内容も、働く人も、職場の環境も、それぞれ異なっていました。
一方で、どの訪問先でも、働く人がそれぞれの力を発揮しながら働くための工夫や、より良い職場や社会をつくっていこうとする姿勢に触れることができました。
学生たちは今回の訪問を通して、「働きやすさはどのようにつくられているのか」「違いのある人と共に働くためには何が必要なのか」「できないと決めつけず、どうすればできるのか」「自分は誰のために、何を大切にして働きたいのか」といった問いに向き合いました。
4つの訪問先で得た学びはそれぞれ異なりますが、いずれも、これから進路を選び、社会の中で働いていく学生たちにとって大切な視点につながるものでした。
今回のプログラムは、さまざまな職場を知るだけでなく、ダイバーシティやワーク・ライフ・バランスの視点から「働く」ということを考え、自分らしい働き方について見つめ直す機会となりました。
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更新日:2026年09月09日