令和元年第2回古河市議会定例会「市長報告」(令和元年6月10日)

更新日:2020年11月30日

 令和元年第2回古河市議会定例会の開催にあたり、市における主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、本年3月に市職員が法令違反の疑いにより逮捕されたことについて、この不祥事は市民の皆さまからの公務に対する信用を著しく失墜させるものでありましたことから、市役所を代表して深くお詫びを申し上げ、あらためて全職員の服務規律の徹底及びコンプライアンス意識の向上に努め、今後の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
 また、4月に思川浄水場から配水した水道水において異臭が発生した事象について、市民の多くの皆さまにご不安やご心配をおかけしましたことに対し、深くお詫びを申し上げますとともに、これまで以上に市民の皆さまの安心、安全に対して真摯に取り組んでまいる所存です。
 さて、6月1日に発表された古河市にとってのビッグニュースとして、2020年東京オリンピックにおける聖火リレーのルートの一つに古河市が選ばれました。この世界的なスポーツの祭典に市が協力できることは大変名誉なことであり、2020年に向けてしっかりと準備を進めてまいりたいと考えております。
 議員各位におかれましては、4月の改選を経て、令和の時代の始まりにふさわしい新たな市議会がスタートしたものと存じます。市議会と市執行部は、まさに市政の両輪であるものと考えます。ともに市民の皆さまからの負託に応えるべく、市政運営に関する様々な案件についてご議論、ご協議くださいますようお願い申し上げます。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 自治組織の運営について、4月12日に、とねミドリ館において、地域の自治組織である自治会や行政区、計224団体の代表者及び20の地区の正副地区長の皆さまに委嘱状を交付させていただきました。各自治組織での活動の一環として、回覧などの情報伝達やごみ集積所の管理等の公共サービスの提供に対し、市政運営のパートナーとしてのご協力をお願いいたしました。
 5月4日に、姉妹都市である山形県真室川町において、「第47回梅まつり」が開催され、同日に実施された古河市との姉妹都市締結30周年記念事業としてのマラソン大会に、古河市職員6名が参加しました。また、真室川町からは、5月18日と19日に道の駅まくらがの里こがで開催された物産展や、25日と26日にネーブルパークで開催された山菜まつりにご参加いただくなど、両市の相互訪問による一層の交流が図られました。
 青年企画提案事業として、5月19日に、小学生を対象とした「かけっこ教室」が行われました。市内小学校の運動会が開催される1週間前の講座であったことから、参加した児童の多くが真剣なまなざしで講座を受講しました。今後も、このような青年層によるユニークな取組に対して協力及び支援を行います。
 東日本大震災や国際情勢の緊張により見合わせていた、古河市と国際友好交流都市である中国三河市(さんほうし)との中学生の相互交流を今年度再開します。市内の中学校1、2年生20名が10月21日から24日にかけて三河市を訪問するための準備を進めており、中学生という多感な時期に海外との本格的な交流の機会を持つことで、豊かな国際性が育まれることを期待しています。

2 健康福祉について

 すべての市民が、地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる地域共生社会の実現を目指して、令和3年度からの6年間を計画期間とした「第3期古河市地域福祉計画」の策定を進めています。今後、地域福祉の推進主体である市民の皆さまや関係団体のご意見を計画に反映させるために、策定委員会やワークショップを順次開催します。
 生活保護受給者や生活困窮者等の就労支援として、3月1日に茨城労働局と市との協働で、総和福祉センター「健康の駅」内に相談窓口である「つなぐハローワークこが」を開設しました。窓口の開設から4月末までに、180件の職業紹介や生活相談等に対応し、23人の就労につなぐことができました。
 子育て拠点施設整備事業として、市内の公立保育所では最大規模となる、180人の児童を受け入れることができる上辺見保育所が完成し、4月1日に開所しました。この保育所の機能を最大限に活用するために、今後も保育士の確保及び適正配置を進めるなど、市の待機児童の解消に向けた取組を進めます。
 昨年から全国的に流行している風しんの感染拡大を防止するため、抗体保有率が低いとされる世代の男性を対象として、昭和47年4月2日生まれから昭和54年4月1日生まれまでの約7,500人に、抗体検査及び予防接種の無料クーポン券を3月下旬に送付いたしました。多くの方にクーポン券をご利用していただきたいものと考えます。
 子育て世代の経済的負担の軽減と感染症の重症化及びまん延を予防するため、これまで実施してきた小児インフルエンザ予防接種に加え、4月から任意接種であるロタウイルスとおたふくかぜの予防接種費用の一部助成を開始しました。これにより、子どもたちの健やかな成長を支援するとともに安心して子育てができる環境づくりに努めます。
 障がい者等の社会参加への支援として、7月から「ヘルプマーク」と「ヘルプカード」の配布を開始するための準備を進めています。この取組を積極的に周知することで、外見からは分からなくても、援助や配慮が必要な方への気づきや思いやりのある行動を促進します。

3 教育文化について

 3月10日に開催した「第7回サンスポ古河はなももマラソン」について、全国各地から約13,000人ものランナーが集まり、フルマラソン男子の部では大会新記録が生まれるなど、年々大会レベルの向上が見られます。前日、当日を合わせた約3,600人の大会スタッフやボランティアの皆さま、沿道で応援していただいた多くの市民の皆さまのご協力により、成功裏に大会を終了することができました。
 また、大会前日には、古河駅西口のおまつり広場において、古河青年会議所の主催によるマラソン大会前夜祭として「愛LOVE古河フェスタ2019」が開催されました。このイベントでは、ダンスや歌などのステージショーや歴代優勝者によるトークショーが行われ、来場者には古河市の名産品が配布されるなど、古河のまちが大いに賑わいました。
 地域を超えた交流や異世代との交流活動を促進し、多様な体験や創作活動の機会の充実を図るための「ワイルドダッシュ」を実施しました。第1回目として、5月18日に、小学校4年生から6年生までの25名が「ダム湖探検ダックツアー」と題し、水陸両用車でのダム遊覧、川治(かわじ)ダムの上部、地上60m、幅1mのスリル満点のキャットウォークを体験しました。
 「いきいき茨城ゆめ国体2019」について、いよいよ古河市では綱引競技が8月31日から2日間、少林寺拳法が9月8日に中央運動公園総合体育館において開催されます。これまでに、選手の強化や審判員の育成にも力を注ぐなど、大会の成功に向けて多くの準備を進めてまいりました。大会を盛り上げるため、市民の皆さまもぜひ競技会場にお越しください。
 下辺見小学校児童クラブの1単位分の増設について、8月からの開所に向け、学校内のパソコン教室の一部改修による施設整備を進めています。また、諸川小学校児童クラブの1単位分の増設についても、本年度中の開所に向け、整備を進めています。

4 産業労働について

 3月下旬から4月上旬にかけて古河公方公園において「第43回古河桃まつり」を開催し、開園式には、平成最後の特別ゲストとして俳優で古河大使の渡辺徹氏にご登場いただきました。ご本人プロデュースのお笑いイベントの開催や、イベント最後のサプライズとして、ヒット曲「約束」が披露され、会場からは多くの歓声があがりました。
 農作物の知名度向上やブランド化を目的として、県銘柄産地指定作物の「バラ」、「にんじん」、「サニーレタス」、そして「ニガウリ」を野菜産地づくりや花き産地づくりの軸とした消費宣伝活動を行っています。5月18日には、東京大田市場において、私自らもJA茨城むつみの代表理事組合長やにんじん生産者と一緒に、市場関係者や仲卸業者に対し、古河市産にんじんのPRを行いました。
 また、古河市産の花きについての嬉しいニュースとして、5月14日に横浜市で開催された日本ばら切花品評会において、古河市産のバラが最も栄誉ある農林水産大臣賞に輝きました。
 企業誘致の推進について、日野自動車株式会社古河工場の本格稼働に伴い、古河名崎工業団地の同社敷地内に株式会社トランテックスが進出し、架装工場を新設することが決定しています。また、関連でトラックフレームを生産する株式会社武部鉄工所も同様に同社工場内での生産を本格化させ、さらに、筑西幹線道路の沿線においても複数の物流施設の整備が進められるなど、各種企業の動きが活発化しています。
 企業の市内への立地に伴い、移転してくる従業員やその家族の古河市への定住を促す取組として、若者・子育て世帯定住促進奨励金の交付を行っており、平成30年度は二世帯同居奨励金を含め、220件、1億140万円の交付を決定し、663名の転入につながりました。また、さらなる定住促進施策として、昨年度から、住宅金融支援機構との協定に基づき、住宅ローン「フラット35」の金利を当初5年間引き下げる優遇策を実施しており、若者や子育て世帯のマイホーム取得を後押ししています。

5 生活環境について

 災害発生時に住民生活をいち早く復旧することを目的に、3月22日に久喜市と「災害時における相互応援に関する協定」を締結しました。これにより、隣接する全ての自治体と協定を締結できたこととなり、物資の提供や被災者の一時受け入れなど、より強固な相互支援体制が整備されたものと考えます。
 また、4月18日には日本バイリーン株式会社東京工場と「災害時における物資の供給に関する協定」を締結し、災害時に大量に必要となるマスクの安定供給の体制を確保しました。これまで、53件の災害に関する協定を締結しており、今後も民間企業等のご協力を得ながら、さらなる災害時の支援体制の強化を図ります。
 市内の空き家の解消を目的に、4月1日に「古河市空き家バンク」を創設し、5月から登録物件の募集を開始しました。この取組により、空き家の売却や賃貸を希望する所有者と全国の利用希望者をつなぎ、利活用可能な空き家の流通や有効活用を促進します。
 また、空き家の発生抑制と利活用の促進を図るため、4月7日に、コスモスプラザにおいて、一般社団法人茨城県古民家再生協会が主催し、古河市が後援した特別講演会が開催されました。講演会終了後には、空き家の所有者等を対象とした相談会も開催し、利活用の促進や適切な維持管理を啓発しました。
 4月13日に実施した渡良瀬遊水地クリーン作戦では、115団体2,250人の皆さまの参加により、計3.2tものごみを収集していただきました。今後も、自然環境やまちを美しく保つために、市民の皆さまとの協働による清掃活動等の取組を続けます。

6 都市基盤について

 古河駅東部土地区画整理事業について、文化交流拠点として位置付けているエリア内の大街区を、公募型総合評価方式により一括して売却することを決定しました。この売却手続きにあたっては、購入希望価格のほか、地域への貢献度や文化交流機能の提案などを審査し、落札者を決定する予定です。
 県の事業として実施している十間通り「仲の橋」の架け替え工事について、令和2年5月に迂回路から元の十間通りに車線を戻すことを予定しています。また、仲の橋の下流に位置する「鹿養上橋」の架け替え工事の実施に伴い、5月7日から市道を全面通行止めにしており、令和3年度末の工事完了を予定しています。
 仁連工業団地の整備について、現在、道路関連工事及び防火水槽設置工事、水道工事等に着手しています。樋管や調整池の整備については、西仁連川に築造する樋管部工事を終え、調整池工事を進めているところです。引き続き関係工事を着実に進め、立地ポテンシャルを活かした産業拠点の形成を図ります。
 身近な生活道路の整備について、22路線の道路新設改良工事をはじめ、37路線の道路補修工事、3橋の橋梁補修工事、4路線の用地測量を進めています。老朽化による道路の補修箇所が増加している中、計画的な予算の執行により、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に努めます。

7 行財政について

 古河市独自のスマートフォン用アプリを4月15日に公開しました。このアプリでは、市政やイベント情報の発信、子育て日記帳や予防接種スケジュール管理、ごみ出しカレンダー、まちなかお散歩マップなど、多くの便利な機能を備えていますので、ぜひご利用ください。
 シティプロモーションの一環として、4月に古河市オリジナルデザインの婚姻届を作成しました。この婚姻届は、「ノラネコデザイン」で知られる市出身のデザイナー猪瀬まな美氏にデザインを監修していただき、「ハナモモ」の桃色を背景に雪華模様をあしらったもので、令和に入ってからの婚姻のお手続きでご使用いただいており、ご好評を得ています。
 市役所の経営管理として、5月下旬から6月上旬にかけて、私自らが市役所の全部署を巡回し、業務の進め方やその目標設定等についての確認を行いました。総合計画で掲げる分野別施策の目標を達成するため、全部長及び課長に業務マネジメントの徹底を指示したところです。
 市の最上位計画である第2次古河市総合計画について、第1期の基本計画期間が今年度で終了することから、第2期基本計画の策定に着手しているところです。計画の策定にあたっては、2015年に国連で採択された「SDGs(エスディージーズ)」といわれる「持続可能な開発目標」を取り入れることを検討するなど、新たな時代における行政経営の指針となる計画の策定を進めます。
 以上、現在実施している事業等についてご報告させていただきました。

むすびに

 5月1日の天皇陛下のご即位により、新たな時代の幕が上がりました。安倍内閣総理大臣によれば、新元号の「令和」には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められているとのことであり、また、令和の語源には、古河の名と同じく万葉集に由来しているとのことでありました。
 私は、古河市が新たな時代の名にふさわしい、商業、工業、農業の産業基盤の上に文化が生まれ育つ、「華のある都市(まち)古河」を築き上げる決意を新たにしたところであります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和元年6月10日

古河市長 針 谷 力

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