令和元年第3回古河市議会定例会「市長報告」(令和元年8月29日)

更新日:2020年11月30日

 令和元年第3回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市自治基本条例の規定に基づき、市における主要な施策及び事業等の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、6月28日から7月5日にかけて九州地方で降り続いた大雨、また、8月に発生した台風10号による災害で亡くなられた方々に、心より哀悼の意を表し、被災された地域の皆さまにお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 このような、日本各地で毎年のように発生する災害を目の当たりにしますと、あらためて市民の皆さまの生命や財産をお守りするための行政の役割を再認識し、あらゆる災害に対応できる組織体制の維持や、市民の皆さまが安心して避難できる環境づくりの重要性を強く感じているところです。
 さて、市役所のトップマネジメントとして、先の市議会定例会において議員各位からご同意をいただきました岩崎副市長の就任につきまして、岩崎副市長には、これまでの経済産業省での経験を活かし、古河市のために尽力いただけるものと期待しております。副市長を2名体制とし業務を分担することで、これまで以上にきめ細やかな行政経営を進めてまいる所存です。
 令和元年度も半ばに差し掛かり、施政方針でお示しした施策等について、議員各位及び市民の皆さまのご協力により、着実な事業の進捗が図られております。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 住民自治組織の運営支援としての補助金等の交付について、各地域の活動実態に合わせた効果的な財政的支援が行えるよう、補助金等の見直しを進めています。そのために6月から7月にかけて自治組織やコミュニティ組織の代表者の皆さまに対し説明会を実施したところです。新たな補助金等の交付制度が来年度からスタートできるよう準備を進めています。
 地域のコミュニティ活動について、それぞれの地域が持つ課題に対して地域が自主的に対応できるよう、各地区のコミュニティにコミュニティ活動助成金を交付しています。各地区では、7月から9月にかけて、夏祭り等のイベントや防災訓練が実施されるなど、これらの活動を通じて、地域の皆さまの共助意識がより醸成されることを大いに期待しています。
 市政に対する市民参加の機会の拡大を目的とした「市長と語ろう まちづくり」について、9月下旬から市内各地区において順次開催します。今年度は、合併時に策定した新市建設計画における「先導的プロジェクト」の内容や、その進捗状況等を市民の皆さまにお伝えし、率直なご意見を頂戴したいものと考えています。

2 健康福祉について

 災害発生時に、障がい者やひとり暮らしの高齢者等の避難行動要支援者が、一人ひとりの実情に即した避難行動ができるよう、個別支援計画の作成を順次進めています。個別支援計画は、ケアマネジャーや障がい者の相談支援専門員等がいる福祉事業所に委託して作成しており、7月末現在において、市内外の65の事業所と委託契約を締結しました。
 高齢者を地域で支える体制づくりとして、かかりつけ医や介護事業所等を一つのカードに記入できる「つながりカード」を作成しました。このカードを、市内のおよそ80の事業所のご協力も得て配布しています。また、さらなる医療と介護の連携を図るため、市内の基幹的な病院において、市民や医療と介護の専門職向けの、在宅医療等に関する相談窓口を開設したところです。
 8月24日に、はなももプラザにおいて、市内の民間保育園団体及び幼稚園、認定こども園団体が主催した「古河市保育士・幼稚園教諭就活応援セミナー」が開催されました。今年度は、このセミナーの開催のため、主催者と市が協力し、計10か所の保育士等養成校を訪問して開催の案内を行ったところ、多くの方にご参加いただくことができました。
 障がい児や障がい者の歯科診療の現状を把握するため、9月に市内の歯科医院およそ70か所を対象にアンケート調査を実施します。障がい児や障がい者が歯科を受診する際の課題等を調査し、必要となる配慮を把握するなど、歯科診療に対する不安の解消に役立てたいものと考えています。

3 教育文化について

 市内の小中学校の多くは、人口が急増した昭和40年代以降に建物が整備されており、今後、一斉に建替えの時期を迎えることが見込まれることから、早急な老朽化対策が求められています。このことから、小中学校全32校において建物の劣化状況や過去の改修状況等を調査し、今後のコストを検討するなど、個別施設の長寿命化計画の策定を進めており、今年度中の計画策定を予定しています。
 7月31日から8月2日までの3日間、ネーブルパークにおいて、小学校3年生から6年生までの計140名の児童の参加による「古河市イングリッシュキャンプ」を開催しました。小中学校の語学指導助手や市国際交流協会、市内在学の高校生、市内企業等のご協力により、児童が「生きた英語」に触れることで、英語でのコミュニケーション能力の向上や国際感覚の醸成が図られたものと考えます。
 姉妹都市交流について、「少年少女の集い」として、8月7日から9日にかけて、古河市の小学校5、6年生37名と真室川町の小学校5、6年生27名の計64名が、はなももプラザでの篆刻体験や、渡良瀬遊水地でのサイクリングで一緒に汗を流しました。このような活発な交流により、子どもたちの友情が大いに深められたものと考えます。
 いよいよ「いきいき茨城ゆめ国体2019」が始まります。古河市では8月31日と9月1日に綱引競技、9月8日に少林寺拳法が開催されます。全国からの来訪者へのおもてなしや、開催競技の大会運営に万全を期してまいります。市民の皆さまもぜひ競技会場である中央運動公園総合体育館にご来場ください。

4 産業労働について

 6月28日に東京日本橋において、古河花火大会の宣伝や古河産野菜とその加工品を販売するPRイベントを開催しました。会場では、古河市農産物ブランディングアドバイザーである藤原浩氏にもご協力をいただき、「惚ろにがうり」や「長なす」を中心に、古河産野菜のおいしさをアピールし、その日の野菜はすべて完売となりました。
 8月3日に開催した「第14回古河花火大会」は、天候にも恵まれ、大変多くの皆さまにご来場いただきました。渡良瀬遊水地の雄大な自然を背景に、今回は「令和」の幕開けを記念した仕掛け花火をはじめとし、2万発の花火が夏の夜空を彩り、絶え間ない歓声の中、壮大なスケールの三尺玉が大輪の花を咲かせました。
 また、花火大会の翌日早朝には、会場の河川敷において、市民の皆さまや事業所等の皆さま、計2,698名のご協力により清掃活動を実施していただき、1.5tにも及ぶごみを回収することができました。古河の花火は年々知名度が向上しており、お力添えをいただいた多くの皆さまに大きな感謝を申し上げます。
 新たな観光資源の創出として、平成29年度から進めている「ハナモモアロマ」の商品開発について、現在、この春に摘み取ったハナモモの花を利用して、「フェイスミスト」、「ルームミスト」の2種類の商品化を進めています。この秋、ブランド名を「はなもものしずく」として、販売を開始する予定です。

5 生活環境について

 古河市斎場について、長年の施設運用により設備の老朽化が著しく、大規模な改修が必要な状況にあります。このことから、本年3月に「古河市斎場施設改修基本計画」を策定し、6月に周辺住民の皆さまを対象とした説明会を実施したところです。現在、計画に基づき、火葬棟改築の基本設計を進めています。
 災害時等にドローンを活用した情報収集が行えるよう、7月29日にドローンスクールジャパン茨城土浦校と「災害時等における無人航空機による協力に関する協定」を締結しました。これにより、古河市における災害時に被災状況をいち早く把握し、迅速な対応が可能となるものと期待しています。
 下水道の整備について、快適な市民生活や河川の水質を保全するため、現在、市内各地区で管路施設の整備を進めています。7月末現在において、市内全体で3,240mの工事を発注したところです。今後も計画的な整備を推進し、下水道の普及促進を図ります。
 10月26日に古河市をメイン会場として、中央運動公園において、茨城県、五霞町、境町との共同による「総合防災訓練」を実施します。この訓練では、自衛隊や警察、消防、医療機関、そして地域の皆さまにもご参加いただき、災害発生時における関係機関等の相互の役割を確認するなど、地域の防災力の強化を図ります。

6 都市基盤について

 古河駅東部土地区画整理事業について、文化交流拠点として位置付けているエリア内の大街区の売却に併せて、売却予定地周辺の道路や上下水道の整備を進めています。関係工事を着実に実施し、周辺区域の利便性や快適性を高め、良好な市街地の形成を図ります。
 仁連工業団地の整備について、現在、工業団地内の区画の形状を整えるための市道の付け替え工事に着手しています。引き続き、調整池、上下水道の整備等の関係工事を着実に実施し、立地ポテンシャルを活かした産業拠点の形成を図ります。
 運転免許証を自主的に返納した満65歳以上の方等を対象に、循環バス「ぐるりん号」の回数券や、デマンド交通「愛・あい号」のチケットの交付を10月から開始します。対象者一人につき12,000円分のチケットを交付することで、「ぐるりん号」や「愛・あい号」の乗車に慣れ親しんでいただき、生活の足としての公共交通利用への転換を促進します。
 身近な生活道路の整備について、7月末現在において、道路新設改良工事21路線、道路補修工事13路線を発注し、用地測量4路線の契約を締結しました。今後も、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に取り組みます。

7 行財政について

  今年度新設したシティプロモーション課の事業として、市のフェイスブックやインスタグラムにおいて、若い世代や子育て世代の視点で古河の魅力をPRすることを目的に、7月から、市民10人のメンバーによる「こがキラphoto(フォト)クラブ」の活動を開始しました。年間を通して、まちの魅力をSNSで積極的に発信してまいります。
 6月市議会定例会での市長報告において公表しました古河市内での東京2020オリンピック聖火リレーの開催について、7月1日から8月31日にかけて、茨城県実行委員会による聖火ランナーの募集が行われています。古河市にゆかりのある多くの皆さまが選ばれることを期待しています。
 消費税率が10%に引上げられることに伴い、住民税非課税者や0歳から3歳半までの子育て世帯における家計への影響の緩和等を目的に、プレミアム付き商品券を発行します。購入引換券の交付申請が必要な住民税非課税者については、7月中旬にお知らせをお送りしており、子育て世帯を含めた購入希望者全体へは、9月中旬に購入引換券をお送りする予定です。
 以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

むすびに

 令和の時代を迎えた我が国では、6月に日本が初めて議長国を務めたG20サミットが開催され、7月には令和初の国政選挙として第25回参議院議員通常選挙が行われました。
 そして10月には、消費税率の引き上げが予定されており、国ではその増収分を活用し、幼児教育や保育、高等教育の無償化等を実施するとともに、地域における消費の下支えやその喚起を促すため、全国各地でプレミアム付き商品券の販売が行われます。
 古河市においても、これら国の施策に対応した様々な取組を行い、市民の皆さまの生活を全力でサポートしてまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和元年8月29日

古河市長 針谷 力

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