令和元年第4回古河市議会定例会「市長報告」(令和元年12月3日)

更新日:2020年11月30日

 令和元年第4回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市自治基本条例の規定に基づき、市における主要な施策及び事業等の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、10月10日から13日にかけて、日本列島各地で猛威をふるった台風第19号とその後の大雨による災害につきまして、県内外において、暴風雨による被害や河川の氾濫による水害で、多くの尊い人命が失われ、また、大切な住まいが浸水するなど、各地に甚大な被害がもたらされました。
 これらの災害により亡くなられた方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに謹んでお見舞いを申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 台風第19号の古河市での影響につきましては、思川や利根川の氾濫の危険性から、10月12日から13日にかけて市内32か所のすべての指定避難所を開設することとなりました。市民の皆さまの避難行動にあたりましては、避難広報にご尽力をいただいた消防団の皆さま、緊急事態に備えて万全の準備を整えていただいた自衛隊、消防署、警察署の皆さまに、心より感謝申し上げます。
 さて、この秋に市内各所で開催した多くのイベント等につきまして、関係団体の皆さまや多くの市民の皆さまのご協力により成功裏に終了することができました。このような中、古河関東ド・マンナカ祭り、三和地区及び古河地区の市民運動会、古河市民文化祭、そして総合防災訓練につきましては、台風第19号等の影響により、やむを得ず中止とさせていただきました。これらのイベント等の開催準備にご協力をいただいた多くの皆さまに、あらためて感謝申し上げます。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 今年度も市内各地区で「市長と語ろう まちづくり」を開催しました。9月と10月は、市の「先導的プロジェクト」をテーマとし、11月には、子育て支援を目的とした雇用や定住の促進をテーマとして、市民の皆さまと率直な意見交換を行い、様々なご意見やご提案をいただくことができました。今後も、市民の皆さまとの双方向のコミュニケーションを重視したまちづくりを進めます。
 10月18日と19日の2日間、新潟県新発田市(しばたし)において、96名の自治会長と行政区長の参加による「古河市行政自治会視察研修」が実施されました。現地では、「この時代の自治会の役割について」と題した講話研修が実施され、また、研修地に向かう車内においては防災に関する研修も行い、台風第19号の市の対応状況の報告及び地域における平時からの災害への備えや早期避難等の重要性を啓発したところです。
 10月21日から24日にかけて、19名の市内中学生が、古河市との国際友好交流都市である中国三河市(さんほうし)を訪問し、およそ10年ぶりの教育交流を行いました。参加した生徒が中国の言葉や文化を肌で感じたことで、豊かな国際感覚が育まれたものと考えます。また、この訪問では、国際友好交流都市協定締結20周年を迎えたことから、さらなる交流を図るため、教育文化交流についての協定をあらためて締結しました。
 12月1日に健康の駅において、「女性の目線から見た防災」と題した男女共同参画講座を開催しました。この講座では、男女共同参画の視点による必要な災害対策等についての講演を行いました。また、古河市男女共同参画週間における令和2年2月9日には、初めて茨城県との共同による男女共同参画推進事業講演会を開催します。この講演会では、声優の増岡弘氏を講師に迎え、「マスオ流 男女共同参画の話」と題した講演を行っていただく予定です。

2 健康福祉について

 第3期古河市地域福祉計画の策定について、地域が抱える課題やニーズを把握するため、9月に市民5,000人を対象としたアンケート調査を実施しました。このアンケート結果等を踏まえ、2月に開催する市民ワークショップにおいて、市民の皆さまから率直なご意見をいただき、実態に即した計画を策定します。
 9月22日にスペースU古河において、市民の健康増進を目的として、市医師会との共催による市民公開講座を開催しました。この講座では、「がんになりにくい食事はあるの?」をテーマに、京都大学名誉教授で関西電力病院長の千葉勉氏にご講話をいただき、参加者の皆さまには、食生活や生活習慣を見直す機会となり、健康意識の向上が図られたものと考えます。
 上辺見保育所西側敷地の活用について、民間事業者の資金やノウハウを活かした官民連携による子育て拠点施設の整備に向けて、9月に活用方針を公表しました。この方針において、妊娠期から子育て期にかけて切れ目のない子育て支援を行うことができる「子ども家庭総合支援センター」及び民間事業者からの独自提案事業による施設整備を計画しており、今後、事業者の募集を開始し、今年度中の事業者の選定を予定しています。
 民間保育所等に勤務する保育士の業務負担軽減を目的として、一定の研修等を受講した保育士の補助者を雇用する事業者に対して補助を行う制度の創設を進めています。このため、新たな補助制度に関する補正予算案を本定例会に上程しているところです。引き続き、保育士の職場環境の改善や人材不足の解消に努めます。
 第3次古河市健康づくり基本計画の策定について、11月の健康づくり推進協議会における協議を経て、現在、素案を作成しているところです。今後は、この素案についてのパブリックコメントを実施し、市民の皆さまのご意見を踏まえながら、今年度中の計画策定を目指しています。

3 教育文化について

 小学校におけるICT機器の整備について、情報機器等を活用した学習環境の充実を図るため、今年度も、タブレット端末機200台及び大型ディスプレイ5台、また、新たにタブレット端末に接続するキーボードを810台整備しました。これにより、児童の情報活用能力がさらに育まれることを期待しています。
 古河市サッカー場フィールドの人工芝化について、9月13日に工事請負の本契約を締結し、現在、2月末の完成を目指し順調に工事を進めています。この人工芝化により年間を通しての利用が可能となることから、市内サッカー競技の活性化や技術の向上に繋がるものと期待しています。
 9月22日に、はなももプラザにおいて、古河市出身のアニメーターで古河大使の浅野恭司氏による「浅野恭司フェス」を開催しました。全国各地から若者をはじめとした約500人のファンが来場し、ライブドローイングやサイン会、トークショーが行われるなど、来場者にとっては浅野恭司氏との貴重な交流の機会になったものと考えます。
 「いきいき茨城ゆめ国体2019」について、古河市では、古河はなもも体育館において綱引競技と少林寺拳法が開催され、盛況のうちに終了しました。また、9月28日からの本大会では、古河市出身選手も大いに活躍し、茨城県が男女総合優勝と女子総合優勝の栄誉に輝きました。来年の東京オリンピック・パラリンピックや古河市においても開催されるインターハイに向け、気運醸成の呼び水になったものと考えます。
 11月9日に古河はなもも体育館において開催した「第22回青少年のための科学の祭典古河大会」では、手作りロケットの打ち上げや発電自転車の体験のほか、電磁石を使用した実験などが行われました。科学を身近に体験することで、来場者の科学への理解と関心が深められたものと考えます。

4 産業労働について

 古河市産の「長ナス」のさらなる知名度向上及び市場等での販路拡大に向けたPR活動の一環として、9月17日に大井川県知事を表敬訪問し、長ナスのPRを行いました。長ナスは現在、県青果物銘柄推進産地の指定を受けていますが、銘柄産地指定へのブランドアップを目指しています。
 市の地域イメージのうれしいニュースとして、「お休み処 坂長」が、その優れたデザインと情報発信の場としての魅力が高く評価され、「いばらきデザインセレクション2019」において、テーマセレクション部門いばらきのチカラに選出されました。
 企業誘致について、現在、筑西幹線道路沿線や北利根工業団地、坂間中小企業団地周辺などで大規模物流施設が複数建設されており、これまでの市の企業誘致の取組の成果が着実に現れているものと考えています。11月7日には、東京都内において、茨城県主催の産業立地セミナーに参加し、仁連工業団地の立地環境についてのPRを行うなど、多くの企業に古河市への進出を呼びかけました。今後も引き続き、積極的な企業誘致に取り組みます。
 平成29年度から商品開発を進めていた「はなももアロマ」について、11月10日に「はなもものしずく」という商品名で販売を開始しました。道の駅まくらがの里こがをはじめとし、現在、市内4か所でフェイスミストとルームミストの2種類のアロマを販売しています。今後は、さらに販路を拡大し、多くの皆さまに古河のハナモモを楽しんでいただきたいものと考えます。
 台風第19号の影響により、いくつかのイベント等を中止させていただきましたが、「さんさんまつり」、「古河よかんべまつり」、そして「古河菊まつり」は盛大に開催されました。また、「古河提灯竿もみまつり」を開催する12月7日には、「古河マルシェ」を同時開催し、さらに古河のまちが賑わうことを期待しています。

5 生活環境について

 上水道について、安全で強靭な水道施設の維持管理のため、老朽化の著しい石綿セメント管から耐震性に優れた配水管への整備を進めています。10月末現在において、市内全体で6,421mの布設替工事と2,183mの新設工事を発注したところです。引き続き、計画的な整備を推進し、安全で安定した水道水の供給に努めます。
 市内の空き家の利活用を促進するため、本年4月に「古河市空き家バンク」を創設したところです。10月末までに5件の物件を登録し、そのうちの2件について売買契約の成立に至りました。今後も、この制度を積極的に周知し、市内の空き家問題の解消を図ります。
 10月20日に中央運動公園イベント広場において「第70回茨城県消防ポンプ操法競技大会県西地区大会」が開催されました。県西地区から10市町10チームが参加した中、三和地区の第22、23、24分団から選抜された古河市消防団が日頃の鍛錬の成果を存分に発揮し、見事、優勝を飾りました。
 古河駅西口地区における新たな常備消防施設の整備について、施設建設用地を取得し、10月に茨城西南地方広域市町村圏事務組合から基本設計が完了したとの報告を受けたところです。引き続き、事務組合との連携を図りながら、来年度の工事着工に向けた協議を進めます。
 11月9日に古河はなもも体育館において、環境問題について市民の皆さまと共に考えるための「ECOフェスタ古河2019」を開催しました。会場内では、実践して学べる体験ブースに多くの子どもたちも参加し、環境問題をより身近に感じながら楽しく学ぶことで、環境問題への意識の向上が図られたものと考えます。

6 都市基盤について

 古河駅東部土地区画整理事業における文化交流拠点として位置付けているエリア内の大街区について、公募型総合評価方式による売却を進めていましたが、今回の公募においては落札者の決定には至りませんでした。現在、これまでに参加の意向を示した事業者等にヒアリングを行うなど、募集条件を検証し再公募に向けた手続きを進めています。
 市内への企業誘致や立地促進を目的とする仁連工業団地の整備について、現在、産業用地内の新設道路の工事を進めています。引き続き、下水道整備等の関係工事を着実に実施し、立地の優位性を活かした新たな産業拠点の形成を図ります。
 筑西幹線道路西側の新4号国道柳橋北交差点から県道境間々田線までの柳橋下大野線の拡幅整備について、現在、道路改良工事及び下大野橋や中関橋の橋梁工事を進めています。また、柳橋北交差点改良に向けた詳細設計が完了したことから、関係機関との協議を進め、令和3年度での完了を目指し、関係工事を着実に実施します。
 身近な生活道路の整備について、10月末現在において、道路新設改良工事24路線、道路補修工事15路線を発注し、用地測量4路線、用地取得2路線の契約を締結しました。今後も、災害に強く安全で快適な生活道路の整備や維持管理に努めます。

7 行財政について

 今年度策定を進めている市総合計画の第2期基本計画及び公共施設等に関する適正配置基本計画について、市民の皆さまからのご意見やご提案を両計画に反映するために、9月から順次「まちづくり市民会議」を開催しています。この市民会議は市民の皆さまの中から無作為抽出での参加を依頼しており、テーマごとに計6回のグループディスカッションを実施しているところです。
 市役所での新たなチャレンジとしてのAI技術等の導入について、これまで、他自治体での活用事例の情報収集や事業者によるデモンストレーション、県内の先進自治体であるつくば市での視察などを行ってきたところです。古河市においても、来年度にAIが市民の皆さまからのご質問などに自動対応するサービスが開始できるよう準備を進めています。
 今年度策定を進めている市総合計画の第2期基本計画及び公共施設等に関する適正配置基本計画について、市民の皆さまからのご意見やご提案を両計画に反映するために、9月から順次「まちづくり市民会議」を開催しています。この市民会議は市民の皆さまの中から無作為抽出での参加を依頼しており、テーマごとに計6回のグループディスカッションを実施しているところです。
 市役所での新たなチャレンジとしてのAI技術等の導入について、これまで、他自治体での活用事例の情報収集や事業者によるデモンストレーション、県内の先進自治体であるつくば市での視察などを行ってきたところです。古河市においても、来年度にAIが市民の皆さまからのご質問などに自動対応するサービスが開始できるよう準備を進めています。
 9月8日に小山市内において、古河市職員が栃木県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されたことについて、これまでの相次ぐ市職員による不祥事を含め、市民の皆さまからの市役所の公務全体に対する信用が著しく失墜している現状を鑑み、このほど、私自らが市職員全員に対して厳しく訓示を行い、今後の市役所の信頼回復を図るべく、職員一人ひとりに厳格に法令等を遵守する旨のコンプライアンス宣言を実施させたところです。
 また、市役所の経営管理として、年度当初に私自らが市役所の全部署を巡回し、部長及び課長に対して業務マネジメントの徹底を指示したことについて、年度中間における業務状況の確認のため、11月に全部署を再度巡回し、各課の業務目標の達成状況の確認や、必要に応じた業務の見直しを指示いたしました。
 以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

むすびに

 9月から11月にかけて、日本中が熱気に包まれた「ラグビーワールドカップ2019」日本大会が開催されました。ラグビー日本代表が「One Team」とのスローガンを掲げ、見事にベスト8進出を果たしたことは、台風第19号等によって被災された皆さまを大いに勇気づけたものと考え、あらためてスポーツの素晴らしさを実感したところであります。
 ラグビーの精神としての「One for all ・ All for one」の意味は、「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」とされています。市政運営においても、このラグビーの精神のように力強い組織をつくり、「華のある都市(まち)古河」の実現に導くことが私の務めであるものと再認識したところであります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和元年12月3日

古河市長 針谷 力

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