令和2年第2回古河市議会定例会「市長報告」(令和2年6月9日)

更新日:2020年11月30日

 令和2年第2回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市自治基本条例の規定に基づき、市の主要な施策及び事業の執行状況等について、特に今回は、新型コロナウイルス感染症対策の取組状況を中心に、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に、心より哀悼の意を表しますとともに、罹患された方々の一日も早い回復を心よりお祈り申し上げます。
 4月16日、緊急事態宣言が全国に拡大される中、茨城県は特に重点的に感染拡大の防止を図る特定警戒都道府県に指定されました。指定後は、県の緊急事態措置等に基づき、全県民を対象に様々な措置がなされました。市民の皆さまには、臨時休校や公共施設の臨時休業、外出自粛によりご不便をおかけする中、感染拡大防止のために、特段のご理解とご協力をいただき心より感謝申し上げます。
 現在、宣言解除を受け、段階的な対策の緩和が図られる中、感染症対策と社会経済活動との両立を目指した取組が始まりました。
 古河市では、国や県の緊急経済対策と連動するとともに、市独自の対策を加えた総額150億円規模の緊急対策に鋭意取り組んでおり、今後も追加対策を実施しながら市民の皆さまの暮らしを支えてまいります。
 それでは、以下、新型コロナウイルス対策と、第2次古河市総合計画の施策体系に基づく主要な施策等の実施状況について、ご報告いたします。

1.新型コロナウイルス感染症への対応について

(1)対策本部会議の設置

 市では、2月20日に感染予防を図るため、新型コロナウイルス対策に関する会議を実施し、その後、2月27日にさらなる感染予防の強化や市内での感染発生等に備えて、私が本部長となる古河市新型コロナウイルス感染症対策本部に移行しました。これまで会議を19回開催し、随時、感染者発生に関する情報の発信や対応方針の決定を行ってきました。対策会議は、現在、3密を避けるため、ウェブ会議により行っています。

(2)市内の感染状況

 3月31日に市内で初めて感染者が確認されてから、4月21日までの間に合計16名の感染者が確認されました。16名のうち、1名は市内の実家に帰省中の東京在住の方で、15名はいずれも市内在住の方の感染です。市内でのクラスター感染の発生はなく、4月22日以降新たな感染者は確認されていません。

(3)主な対応

 2月28日、国の突然の全国一斉休校要請は、今後の感染拡大に対する危機感を全国に示したもので、全国で新型コロナウイルス感染症への本格的な対応が始まるきっかけとなりました。この時、市では小中学校の臨時休校を3月4日から24日までとしました。
 その後、市では、3月27日に市として初めて、都市部への不要不急の移動自粛を呼びかけました。古河市が都内への通勤圏であり、海外や都内に由来する感染が疑われる事例が複数発生したことによる県の要請を踏まえて、市民に呼びかけたものです。
 そして、3月31日に市内で最初の感染者が確認され、さらに4月3日に感染者が3名になった時には、市中感染の疑いが懸念されたため、市民に対し不要不急の外出自粛を要請するとともに、4月6日に予定していた小中学校の再開を4月20日に延期しました。
 その後も、都市部での感染者が急増する中、4月6日に県は、古河市を含めた感染拡大要注意市町村の10市町に対し、平日夜間の外出自粛を要請し、さらに県内の感染者が100名を超えたことを踏まえ、4月13日には県内全域に平日休日を問わず不要不急の外出自粛を要請しています。この間、市では、4月20日に予定していた小中学校の再開を5月7日に延期しました。
 そして、全国に緊急事態宣言が拡大される中、4月17日に県は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態措置等を発表し、県内全域を対象に、4月18日から5月6日までの外出自粛や通勤・通学の自粛、3つの密が重なりやすい施設でのイベント開催自粛や休業要請を行いました。
 その後、市では、市民に対し県のガイドラインに沿った感染拡大防止の協力を呼びかけるとともに、5月7日に予定していた小中学校の再開を6月1日に延期しました。
 5月14日に県は、国の緊急事態宣言の解除を受け、独自の判断指標を発表し、慎重に対策緩和の判断をしています。5月19日に市においても、6月8日からの通常登校を前提に、小中学校を5月25日から6月5日まで分散登校とする決定をするなど、感染拡大の予防を第一に考え、取組を進めています。

2.新型コロナウイルス感染症緊急対策について

(1)感染拡大の防止

 市では、感染拡大の防止に早急に対応するため、マスクや消毒液の配布、感染予防の取組に関する周知を行いました。
 マスクにつきましては、2月下旬から在庫がひっ迫している市内の医療機関をはじめ、妊婦の方や小中学校、保育園、幼稚園、児童クラブ、介護サービスや障がい福祉事業所等に配布し、さらに先月は、市内の全世帯に対し1世帯当たり3枚ずつ配布しました。マスクの調達につきましては、市が購入したもの以外にも、各方面から善意の寄附が寄せられており、マスク不足でお困りの医療機関や福祉施設、教育・保育施設等にお配りしています。
 消毒液につきましては、不足に対応するため、小中学校に配布するとともに、保育園、幼稚園等に対しては、補助金の交付を通じて購入支援を行いました。また、市民の皆さまには、5月1日から、市で生成した除菌に効果があるとされている電解水をお配りしています。
 感染症との闘いが長期化することが指摘されていることを踏まえ、国が示した「新しい生活様式」を市民が日頃から実践できるよう、分かりやすくまとめたチラシを広報古河6月号の号外として全戸に配布しました。

(2)臨時休校への対応

 小学校の臨時休校の延長に伴い、保護者の就労等により自宅で過ごすことが困難な児童をお預かりするために、5月30日まで児童クラブの開所時間を延長しました。
 在宅でのオンライン学習が必要になったため、中学校に中学生eライブラリの導入を図り、在宅での学習支援を実施しています。また、国が推進するGIGAスクール構想の早期実現に向けて、児童生徒に1人1台の学習用端末の整備を目指し、本定例会において補正予算案を上程し、小中学校におけるICT環境の整備を急ピッチで進めていきます。

(3)生活者への支援

 市民の家計への支援として、国の緊急経済対策に基づき、1人当たり一律10万円の特別定額給付金の支給を行っています。申請方法は、オンライン申請と郵送申請が基本となりますが、市ではお急ぎの方に対し、市ホームページから申請用紙等をダウンロードして印刷し、郵送にて申請できる独自の方式を用意しました。5月1日から申請受付を開始し、5月14日から支給を開始しています。
 同じく国の緊急経済対策に基づき、子育て世帯の生活を支援するため、児童手当の受給世帯に対し、対象児童1人当たり1万円を手当に上乗せして支給します。加えて、市独自の対策として、18歳までの子ども1人当たり1万円を支給します。
 さらなる家計への支援策として、水道料金のうち基本料金を全額免除します。免除期間は5月検針分から8月検針分までの4か月間で、市内の事業所に対しても同様の免除を行います。また、市立小中学校に通う児童生徒のいる世帯に対し、6月から9月分までの4か月間の学校給食費を全額免除します。

(4)事業者への支援

 事業経営が厳しくなった市内事業者に対する金融相談の窓口を、3月に市役所内に設置し、担当職員も増員して対応しています。5月末までに約930件の相談があり、幅広い業種から切実な相談が寄せられています。また、売上が減少し経営の安定に支障が生じている中小企業者に対し、セーフティネット保証や危機関連保証の認定を迅速に行うなどして、事業資金の確保に関する支援を積極的に進めています。
 国では売り上げが前年同月比50%以上減少した事業者に対し、持続化給付金による支援をしていますが、この給付金の対象とならない中小事業者を救済するために、市では独自の給付金を支給します。早急な対応が必要なために、補正予算の専決処分をさせていただきました。
 加えて、本定例会において補正予算案を上程している中小企業資金融資制度における保証料への補助や利子補給については、内容を拡充して支援を行います。また、国の小規模事業者持続化補助金を受給した事業者の自己負担分に対して、市独自に補助を行います。さらに、新型コロナウイルスに立ち向かう飲食店を応援するため、クラウドファンディングを活用して事業資金を確保する団体に、事業費の一部の補助を行います。

(5)その他の支援

 長期の外出自粛の影響で疲弊する市内の飲食店を応援するため、テイクアウト情報を掲載した冊子「テイクアウトコガ」を作成し、広報古河5月号の号外として全戸に配布しました。
 また、「コロナに負けるな!プロジェクト」と題して、市にゆかりのあるキャラクターのぬり絵や手作りマスクの作成方法、自宅でできる体操などを動画で配信し、自宅で過ごす時間をサポートしています。
 さらに、「KOGA花いっぱいPROJECT」として、バラの購入や利用促進を周知することにより廃棄ロスを減らし、特色ある農業を守る取組を進めています。

3.第2次古河市総合計画に基づく主要施策等の実施状況について

(1)市民協働

 市内20の地区のうち17の地区にコミュニティ組織が設立され、地域における課題解決や助け合い、交流等が行われています。市では、20の地区すべてにコミュニティ組織の設立を推進しています。
 設立に至っていない3つの地区のうち、第1地区においては、本年3月4日に設立趣意書が提出され、準備委員会が発足しました。また、第7地区においては、本年2月15日の地区座談会で、設立に向けた協議を継続することになりました。今後も地区コミュニティ組織の必要性をご理解いただきながら、地域の実情に合った柔軟な設立を支援していきます

(2)健康福祉

 児童虐待や配偶者等からの暴力に関する相談体制の強化を目指し、7月からSNSを活用した相談窓口を開設します。LINEという身近で利便性の高いツールを活用することで、相談のしやすさを確保し、早期発見に繋がるものと考えます。今年度は、7月から9月まで実証実験を行った後、本格導入に向けた課題の検証を進めます。

(3)教育文化

 中学校におけるICT機器の整備について、国が目標値とする1クラスに1台の大型ディスプレイの設置に向けて、今年度は、中学校9校へ大型デジタルテレビ27台の整備を進めます。学校での学習活動において積極的にICT機器が活用できる環境を整備し、生徒の自発的な学習スタイルの確立に努めていきます。

(4)産業労働

 6月に造成工事が完了予定の仁連工業団地については、3月下旬から段階的に公募を開始し、自動車製造業関連を含む5つの企業から申し込みがありました。現在、産業の振興及び雇用機会の創出等への貢献が見込まれる企業の選定を順次行っており、本定例会において工業団地の売払いに関する議案を上程しています。

(5)生活環境

 水害に備えた取組として、昨年10月の台風第19号から得た教訓や課題を検証し、避難所等の見直しを行うとともに、新たに洪水ハザードマップ・ガイドブックを作成し、4月に市内全世帯に配布しました。さらに、新型コロナウイルス感染症の2次感染を防ぐため、密集を避けた避難のあり方を広報古河6月号において周知しました。

(6)都市基盤

 古河駅東部土地区画整理事業について、土壌汚染対策法に基づく環境調査を実施し、募集内容、手法の検討を行うとともに早期の再公募に向けて準備を進めています。また、架け替え工事を実施している十間通り「仲の橋」については、今月中に迂回路から元の十間通りに車線を戻す予定です。

(7)行財政

 4月1日からスマートフォンアプリによる市税等の納付を開始しました。納税者がスマートフォンのカメラで納付書のバーコードを読み取り、銀行口座や電子マネーで市税等の納付ができます。5月末までに約1,300件のアプリを利用した納付がありました。現金納付と口座振替の方法に加え、スマートフォンによる納付を可能とすることで、納税者の利便性の向上と期限内の納付が期待されます。
 以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

むすびに

 新型コロナウイルスの感染拡大は、市民生活や経済活動、学校生活等に甚大な影響をもたらしており、正に100年に一度の危機と言われています。
 国は4月20日、国民の生命を守るために緊急経済対策を閣議決定しました。古河市におきましても、国、県の施策に対応した様々な取組を行い、市民の皆さまの暮らしを全力でサポートしてまいります。
 なお、新型コロナウイルス感染症対策の財源確保の一環として、私をはじめ特別職の7月から10月までの給料を10%減額する議案を上程させていただいております。また、議員の皆さまにおかれましては、議員報酬や政務活動費等の削減について、お申し出をいただき感謝申し上げます。
 市民の皆さまの平穏な生活と、子どもたちの声が校舎や校庭にこだまする、当たり前の光景が一日も早く戻るよう、また、一刻も早い経済回復を目指し、市長として最善を尽くしてまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和2年6月9日

古河市長 針谷 力

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