令和3年第2回古河市議会定例会「市長報告」(令和3年6月8日)

更新日:2021年06月08日

 令和3年第2回古河市議会定例会の開催にあたり、市における主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、5月1日から開始した新型コロナウイルスのワクチン集団接種では、5月2日にワクチン接種を受けた方のうち、誤って5人の方に、通常よりも薄いワクチンを接種した事案が発生しました。当日、接種された方や関係者、並びに市民の皆さまに、心よりお詫び申し上げます。
 市民の皆さまが、一日も早く安心してワクチンを受けられるようにすることが、私の大きな使命です。再発防止のため、過日、接種手順の見直しやチェック体制を強化しましたが、より緊張感を持ちながら、引き続き、国や県、並びに古河市医師会などの協力機関と十分に連携し、ワクチン接種を進めてまいります。
 全国で新型コロナウイルスの感染者数が急増する中、都市部を中心に変異ウイルスの感染も急拡大してきました。そこで政府は、人の流れを抑制するため、ゴールデンウィークを目の前にして、東京都や大阪府などに3度目の緊急事態宣言を発令し、集中的な対策を打ち出しました。
 古河市内の感染者数は、2月は44人、3月は111人、4月は163人を数え、急増の状態にありました。5月の感染者数は107人であり、依然として高い数字を示しております。この間、市では、感染拡大を阻止するため、県が行った駅周辺飲食店の従業員と利用客を対象にした集中検査や、キャラバン隊による飲食店への見回りに全面的な協力をしてきました。さらに、4月22日に古河市が県の感染拡大市町村に指定されたことを受け、市では、ホームページやSNS、動画等による情報発信に加え、市内全域で広報車により、不要不急の外出自粛やマスク着用の徹底などを呼びかけました。
 また、コロナ禍で苦境に立つ事業者に対しては、早急な対応が必要なことから、市独自の緊急対策を実施するため、過日、補正予算の専決処分をさせていただきました。昨年度に引き続き、市内事業所の事業継続を支援するため、中小企業等の感染対策に係る費用の助成と、出前・テイクアウトの推進に取り組んでいます。さらに、古河市プレミアムエール商品券の発行準備を進めているところです。
 さて、市役所のトップマネジメントとして、先の市議会定例会において議員各位からご同意をいただき、近藤副市長が4月1日に就任しました。近藤副市長の経済産業省での経験や人脈を活かしながら、市政の発展に努めてまいります。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 地区長及び自治会長、行政区長への委嘱状交付式につきましては、年度始めの重要行事ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、やむなく中止とし、書面郵送による対応をさせていただきました。
 地区コミュニティの推進につきましては、現在、市内の20の地区のうち、19の地区においてコミュニティ組織が設立されており、市では、財政的な支援だけでなく、課題があれば解決に向けて相談に乗るなど、運営のサポートを行っています。未設立の第2地区におきましては、今年度中の設立に向けて準備委員会が発足されており、市では引き続き設立の支援をしていきます。
 自治総合コミュニティ助成金につきましては、今年度、八幡町行政区及び稲宮行政区に交付することとなり、補正予算案を本定例会に上程しました。この助成金は、集会施設の設備や備品の整備に対して補助するもので、自治総合センターからの助成金を市が受け、当該行政区にそれぞれ250万円を交付します。
 第2次古河市男女共同参画プラン後期実施計画につきましては、12月を目標に策定作業を進めています。現在、昨年度実施した意識調査を踏まえ、庁内ワーキングチームにおいて素案を検討しており、今後、古河市男女共同参画推進会議での審議を予定しています。社会情勢に即した実効性のある計画の策定を目指します。

2 健康福祉について

 新型コロナウイルスのワクチン接種につきましては、5月1日から高齢者への接種を進めています。円滑な接種を支援するため、接種会場まではシャトルバスを運行するほか、移動が難しい65歳以上の高齢者を対象にタクシー料金の初乗り運賃を補助しています。1人でも多くの方が接種できるよう、関係機関等と連携しながら全力で対応しています。
 新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、エッセンシャルワーカーの方々は心身に大きな負担を背負いながら日々懸命に働かれています。市内の保育所や幼稚園、認定こども園、放課後児童クラブなどの児童福祉施設等で働く方々への感謝と労いのため、保育等に従事した方に対し、市独自に1人につき1万円の慰労金を給付しました。
 また、低所得のひとり親世帯に対し、児童1人につき5万円の特別給付金を支給しました。さらに、新型コロナウイルスの影響で家計が急変するなど、収入が児童扶養手当を受給している方と同じ水準になっている方への支援についても、順次実施していきます。
 古河第三保育所の長寿命化に向けて、基本計画及び維持管理基本計画の策定準備を進めています。現在、公募型プロポーザルによる提案を募集しており、7月下旬に契約を行う予定です。
 妊娠期から継続した切れ目のない母子支援の一環として、今年度より、産後ケア事業の利用対象を拡大するとともに、非課税世帯への利用料の減免措置を追加しました。今後も、妊産婦が安心安全に出産、子育てができるよう産前産後のサポート体制の充実を図ります。
 高齢者の熱中症を防止するため、新たに「高齢者世帯エアコン購入等助成金」を創設し、エアコンの無い高齢者が購入したエアコンの設置に関する費用の一部を助成しています。5月末現在、26世帯から申請がありました。
 また、高齢者の安否確認をより強固にするため、新たに「高齢者見守りサポート事業」を開始し、緊急通報装置と人感センサーによる24時間365日体制での見守りを支援しています。5月末現在、185件の申請がありました。引き続き、広く周知を図ります。

3 教育文化について

 3月14日から27日にかけて開催した「サンスポ古河はなももマラソン2021」につきましては、コロナ禍の新たな取組としてオンラインで実施しましたが、全国から1,975人のエントリーがありました。実際のコースを走っていただくことはできませんでしたが、初めて参加した方も多く、大会や古河市の知名度の向上にもつなげることができたものと考えております。コロナ収束後には、ぜひ古河市にお越しいただき、実際のコースで自己ベストを目指して頑張っていただきたいと思います。
 文化施設の整備に向けた取組につきましては、施設の機能や規模、整備に適する候補地、財源など、ゼロベースでの検討を進めるため、まずは市役所内における検討委員会を設置しました。この検討委員会では、市民や文化団体の文化芸術活動の現状や市民の意向等を調査し、古河市にふさわしい文化施設のあり方に関する検討を進めます。
 老朽化が著しい中央公民館につきましては、周辺のふれあい公民館、さくら公民館や類似施設であるサークル館の機能を集約し、(仮称)総和地域交流センターとして建て替えるための基本計画の策定を進めています。策定に当たりましては、利用者のニーズを掴むための調査を実施し、効率的で利用度の高い施設を目指します。
 老朽化した学校施設につきましては、今年度は古河第三小学校と古河第三中学校の校舎の外壁改修工事を行います。このたび、国の補助採択がありましたので、関連する補正予算案を本定例会に上程しています。児童生徒の安全な学習環境を整えるとともに、災害時の避難施設として地域住民の安心安全な暮らしにも寄与するものと考えます。
 令和2年度に引き続き、小中学校のICT環境整備を加速するため、今年度は指導者用端末として担任1人1台の整備に向けて、中学校を優先して300台の配置を進めていく予定です。Google社が無償で提供している授業支援アプリケーション「Google workspace for Education」を活用し、主体的、対話的で深い学びを実現します。

4 産業労働について

 新たな産業用地の開発につきましては、圏央道境古河インターチェンジに近接する農地エリアを候補地として、検討を進めています。現在、事業化に向けた条件整理を行うとともに、県の支援策である「未来産業基盤強化プロジェクト」の指定を受けるための取組を進めています。
 市内への企業立地の推進につきましては、産業の振興と雇用機会の拡大を目的に、企業立地促進奨励金や立地の優位性を企業向けにPRしています。仁連工業団地の分譲地では、未決定の街区について公募を行い、企業誘致による産業の活性化を進めます。
 第16回古河花火大会につきましては、例年の開催会場は堤防の復旧工事中であり、通常の開催が困難なため、規模を縮小して実施します。新型コロナウイルス感染拡大防止への願いと、医療従事者への感謝を込めて、8月7日の20時から10分程度、市内3箇所で同時に花火を打ち上げます。なお、3密を回避するため、会場の公表をせずに実施します。
 農産物のさらなる知名度向上や販路拡大を目指し、県銘柄産地指定作物の4品目を中心に、JA茨城むつみや生産者等の協力を得ながら消費宣伝活動を行っています。また、5月には市立小中学校の学校給食へ、食材として「にんじん」を提供しました。今後も地産地消を推進するため、JA茨城むつみの協力のもと、季節野菜の提供を計画しています。
 市内への定住を促進するため、転入して住宅を取得する若者や子育て世帯に対して定住促進奨励金を交付しており、昨年度は256世帯の転入につながりました。また、若い世代で転入を考えている方や定住を検討している方に向けて、PR冊子「古河noトリセツ」を作成しました。市外での企業誘致活動の際などに活用し、古河市に住んでみたいと思われるようなPRに努め、定住者の増加を図ります。

5 生活環境について

 災害時の体制強化を図るため、新たに2つの協定を締結しました。3月22日に茨城県石油業協同組合古河支部と、緊急車両等における燃料の供給について、また、5月20日には株式会社デベロップと、コンテナ型の移動式宿泊施設等の提供について、それぞれ協定を締結しました。今後も災害時における協力について民間事業者との連携強化を進めます。
 古河市斎場の改修工事につきましては、5月22日に近隣住民32世帯を対象として説明会を実施しました。今後は、火葬炉設備の入れ替えを含めた火葬棟改築工事について、10月着工を目指して作業を進めてまいります。なお、工事の完了は令和6年5月を予定しています。
 利根川や渡良瀬川沿いの住民に対し、自宅の想定浸水深の確認と、適切な行動の定着を目的に、6月下旬から7月にかけて水防説明会を開催します。市内7つの地区の各30人程度に対して、古河市洪水ハザードマップ・ガイドブックの内容及びマイタイムラインの作成について説明します。

6 都市基盤について

 古河駅東部土地区画整理地内の大街区につきましては、昨年度実施した地盤状況調査に基づき、事業者ヒアリングを実施したところです。現在、売却に向けて具体的な募集内容などの条件を整理しており、今年度中の再公募に向けた手続きを進めています。
 また、大街区周辺におきましては、今年度、調整池の整備や道路、上下水道の整備を進めます。さらに、県の向堀川改修工事の進捗に合わせて、周辺道路などの関連工事も行います。
 筑西幹線道路西側の、新4号国道柳橋北交差点から県道境間々田線までの柳橋下大野線の拡幅整備につきましては、県道交差点付近の道路改良工事や、橋梁付近の舗装工事など、約460mの区間を整備します。また、県道交差点から西側への延伸につきましては、都市計画道路の見直しとともに検討を行います。

7 行財政について

 IT戦略プランにつきましては、現在、プラン策定の準備として、庁内検討委員会の設置や論点整理を行っているところです。新たな策定コンセプトに、関係機関との連携強化やSDGsの視点を取り入れるなど、工夫をしながら実効性の高いプランとなるよう策定作業を進めます。
 AIやRPAの活用による市役所業務の効率化につきましては、今年度12業務において導入を予定していますが、既に、後期高齢者医療保険料口座振込依頼書の入力業務や狂犬病予防注射番号入力業務など4業務で運用を開始しました。
 地域BWAを利用した公共Free Wi-Fiにつきましては、古河駅周辺の市の施設4カ所において、4月から本格運用を開始しました。新型コロナウイルスの影響による休館となるまでの約20日間で、延べ173人の利用登録がありました。
 新たな取組となるネーミングライツ事業につきましては、市内の道路や歩道橋も含めた32の公共施設において命名権者の募集を行い、十間通り、中央運動公園、ネーブルパークの3施設について優先候補者を決定しました。今後はネーミングライツの契約締結に向けて詳細協議を行っていくとともに、残りの施設についても、改めて募集を行う予定です。
 4月から設置した「おくやみサポートコーナー」につきましては、予約制により1日4組まで対応しています。また、死亡後の手続きや案内を掲載した「遺族のためのガイドブック」も作成しました。予約した方の情報を、関係する14課に照会し、必要な手続きの書類等を事前に準備したうえで、書類記載のサポートを行っています。今後は、古河庁舎及び三和庁舎でも実施できるよう、検討を進めます。
 シティプロモーションにつきましては、5月5日にBSテレ東で放送されたテレビ番組「都会を出て暮らそうよ」で古河市が特集されました。俳優の中村雅俊さんがメインキャスターを務める番組に私自ら出演し、市の歴史や名産品などを紹介してきました。今後もメディアの持つ発信力を最大限に活かし、古河市の魅力を全国にPRしていきます。
 SDGsの推進につきましては、まずは市全体でSDGsを知ること、そして自らの生活や活動をSDGsの視点で振り返り、将来に向けて行動することが必要です。5月30日に古河ロータリークラブと連携し、青少年を対象にしたカードゲームによる研修を実施しました。今後も、企業等との連携をはじめ、普及啓発の取組を進めます。
 以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

むすびに

 ワクチン接種が先行している国々では、報道にもありますように、徐々に社会経済活動を再開しています。これは、ワクチン接種がもたらす大きな効果であり、コロナ禍の収束に向けた明るい兆しであると考えます。
 現在、日本におけるワクチン接種は、希望する高齢者の方々が、7月末を念頭に、2回のワクチン接種を終えることができるよう、国と地方が連携して進めています。
 こうした中、古河市におきましても、予想を上回る接種希望者からの予約申込があり、電話やインターネットがつながりにくい状態になるなど、たいへんご不便をおかけしましたことを、改めてお詫び申し上げます。
 現在、古河市では、高齢者のうち8割を超える方々の接種希望が見込まれています。接種希望者が増えることは、社会全体の集団免疫が増加し、社会経済活動の再開につながるものと期待されます。
 1人でも多くの方々に、できるだけ早期に、安心して接種を受けていただけるよう、引き続き、国や県、古河市医師会などのご協力のもと、全力で取り組んでまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。


令和3年6月8日

古河市長 針谷 力

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