令和4年第3回古河市議会定例会「市長報告」(令和4年9月1日)

更新日:2022年09月01日

   令和4年第3回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市の主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

  まず、7月8日に第26回参議院議員通常選挙の街頭演説中に銃撃にあい、お亡くなりになられた安倍元総理のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
  新型コロナの感染者数について、7月以降、新たな変異株BA.5への置き換わりが進む中で急速な増加となりました。市では、重症化を防ぐため、これまでのワクチン接種と並行して4回目の接種を実施しています。世代ごとの接種状況は異なりますが、引き続き希望者にできる限り早く接種していただけるよう体制を整えてまいります。
  現在、コロナ禍における市の対応として、原油価格や物価高騰による負担を軽減するため、水道基本料金を免除したほか、給食材料費高騰分の公費負担や、事業活動に影響がでている運送業等事業者への支援を行います。また、地域活動や社会活動の再開に向けて、今年度に限り、自治会やイベントの再開等に要する費用の一部を支援いたします。
  今、社会を動かしている状況の中で、お互いに感染しない、感染させない行動が必要です。市民の皆さまには今一度、基本的な感染対策の徹底をお願い申し上げます。
  それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

  自治組織運営事業ならびにコミュニティ推進事業について、コロナ禍により直近2年間は多くの地域活動が中止や延期になりました。そこで今年度に限り、既存の補助制度の上限額を拡充し、地域活動の再開と地域のつながりの再構築を支援します。
  ダイバーシティの推進に向けた事業の一環として、男女共同参画推進委員及び男女共同参画市民ネットワーク会員などを対象に、7月6日と29日に研修会を実施しました。研修会には合計80人が参加し、ダイバーシティの基本を学ぶ有意義な研修となりました。
  8月2日に女装パフォーマーのブルボンヌ氏を講師とする人権教育講演会を、また、8月20日と27日に人権啓発映画の上映会を行いました。性的マイノリティに対する偏見や差別など、市が取り組む17の人権啓発活動を知ってもらうきっかけとなりました。今後も市民の皆さまが人権尊重の意識を向上する機会を提供します。
  昨年12月にスタートした「古河市SDGsパートナー制度」の登録団体は、7月末時点で25団体あります。7月5日と12日に、SDGsパートナー企業の6団体とともに三和北中学校を訪問し、2年生95人を対象に各団体のSDGsの取組や仕事内容について説明しました。今後も、パートナー登録団体の増加と啓発活動によりSDGsの推進に努めます。
  官民協働のゼロ予算事業として、株式会社サイネックスがイオン古河店に設置したデジタルサイネージ「わが街NAVI」の一部を活用し、6月28日より行政情報の配信を開始しました。買い物などで店舗を訪れる方に、市のイベントや魅力を発信する動画などの情報をお届けします。

2 健康福祉について

  DV対策については、児童、高齢者、障がい者への虐待対策を含む複合的な「第3期古河市虐待・DV対策基本計画」の策定を進めています。策定にあたり、これまでの取組の検証を踏まえて、市民意識や社会状況の変化を考慮するほか、市民や関係団体の意見も反映します。
  重層的支援体制整備事業の多機関協働事業分については、民間との連携を強化するため、ICT技術を活用した情報共有ツール「電子@連絡帳」を、今年度から本格導入しました。7月末時点で388人の専門職が登録し、147人の支援のために利用されています。
  子どもの貧困やヤングケアラーの実態を把握し、その対策を講じていくため、7月から8月にかけて市内小中学校の教員や保育施設、福祉事業所の専門職など約1,700人を対象にアンケート調査を実施しました。現在、アンケート結果の集計中ですが、それと並行して対象となる子どもへの具体的な支援の検討も進めます。
  コロナ禍の影響を受けている生活困窮者に対する支援のあり方について、市と民間の支援団体等が一堂に会して協議する場を構築し、官民が連携して生活困窮者に食料品や日用品を配布するなどの取組を試行的に実施します。なお、体制の整備にあたり必要となる補正予算案を本定例会に上程しています。
  民間保育施設や教育施設等において、物価高騰の中でも、栄養バランスや品質が確保された給食の提供が継続できるよう、給食材料費の一部について公費で負担します。これにより、施設を利用する保護者及び施設運営者の負担軽減を図ります。なお、材料費の高騰に対応するための補正予算案を本定例会に上程しています。

3 教育文化について

  ICT教育については、指導者用端末200台と大型デジタルテレビ64台の整備を行っており、設置完了後は双方向の授業展開などが可能となります。また、310台のモバイルルータを整備し、体育館や運動場など通信環境のない場所で授業が行えるよう、学習環境の充実を図りました。9月からは、オンライン学習支援アプリを活用して、小学3年生以上を対象に、端末の日常的な持ち帰り学習を開始します。
  家庭や地域の教育力の向上を図るため、7月1日に家庭教育講演会を開催し、市内在住・在勤者112人が参加しました。講師で岡山大学准教授の中山芳一氏からは、コミュニケーション力や人間性など学力テストでは測れない非認知能力の重要性についてご講演いただきました。今後も社会状況を的確に捉え、時代に即したテーマで実施していきます。
  6月4日と7月23日に、三国橋下でわたらせ水辺の楽校を開催し、小学生145人が、水辺の植物や魚の観察を通して自然を守ることの大切さを学びました。また、会場の橋脚には、浅野恭司氏が手掛けたイラストが拡大転写されており、このシンボリックな情景が子どもたちの郷土愛を深めることにつながるものと期待します。
  今年度の科学の祭典は、企業等と連携した取組を行います。2回目の開催となるプログラミングコンテストは、9月末まで小学生から作品を募集し、11月27日の大型サイエンスイベントと併せて入賞者を表彰します。また、子ども夢交付金を活用した新たな取組として、市内外から科学体験の場を提供できる団体を公募し、子どもたちが科学を楽しむ機会の確保に努めます。
  まなびピアこがについては、コロナ禍により2年間中止していた講座を再開し、前期は52講座で634人が受講しました。改めて、生涯学習活動に対する市民の意欲の高さを感じているところです。後期講座についても9月13日から募集を開始します。今後も市民の学びや健康増進に資する講座を提供していきます。
  市立図書館等で、閲覧用雑誌のカバー等を広告スペースとして活用する雑誌スポンサー制度を4月から実施しています。7月末時点で16の企業等から22誌への応募がありました。今後も企業等に情報発信の場を提供するとともに、新たな財源の確保と図書館等サービスの充実を図ります。
  8月14日と15日に古河歴史博物館で開催した「夢あんどんと夕涼み」については、第1地区コミュニティを中心に、住民と学生ボランティアの協力、周辺施設や関係団体の連携により、訪れた人に古河の夏の風物詩を楽しんでいただきました。11月下旬には「夢あんどんと紅葉狩り」を開催する予定です。

4 産業労働について

  産業の活性化及び雇用拡大につなげるため、積極的に企業誘致を推進しているところです。この度、残り1区画となっていた仁連工業団地第4街区の譲受人が決定しました。今後、諸手続きを経て、仁連工業団地は完売となる見込みです。今後も企業と連携を図り、産業の活性化と雇用の拡大につなげていきます。
  未来産業用地開発事業については、「茨城県圏央道沿線地域基本計画」に、新たな区域として「東山田・谷貝地区」を追加する内容で、6月に国から計画変更の同意を得ました。また、8月には地権者説明会を開催し、地権者の皆さまと立地企業の選定に向けた協議を行い、募集を開始したところです。引き続き、国や県の支援を受けながら、新たな雇用の創出につながる企業の誘致に努めます。
  20パーセントの付加価値を加えた古河市プレミアムエール商品券については、7月から予約受付を開始したところ、50,000冊の発行予定数を大きく上回る約65,000冊の応募がありました。予約超過分も含め、全ての方の希望に添えるよう、増刷に関連する補正予算案を本定例会に上程しています。
  コロナ禍の影響を受けている市内運送業等事業者を支援するため、トラック・バス・タクシー車両の保有台数に応じて最大50万円の補助を行います。なお、支援に必要な補正予算案を本定例会に上程しています。
  道の駅を拠点とした、交流人口の増加と域内経済の好循環を目指して、大型クリスマスツリーを展示する新たな取組により、冬場の集客力を強化します。8月に委託業者が決定しましたので、11月中旬からの展示に向けた準備を進めます。
  農振農用地等の用途区分を策定している「古河農業振興地域整備計画」については、全体見直しを令和3年度から4年度にかけて実施しています。現在、用途区分の変更地について県と協議を進めており、協議終了後は関係機関に意見を求めます。
  市の農産物の知名度向上やブランド化を進めるため、市内の県銘柄産地指定作物を中心に、農作物の販売・消費宣伝活動を実施しています。10月中旬には、東京区政会館で行われる「茨城ふるさとフェア」への出店を予定しています。今後も関係機関の協力を得ながら、市の農産物をPRしていきます。

5 生活環境について

  災害対策として、6月19日に渡良瀬川河川敷で、古河市・坂東市・境町の二市一町による合同水防演習が行われました。消防団が堤防保全のための水防工法の習得を目的に、地域防災力の向上に取り組みました。
  コロナ禍の影響を受けている方の負担を軽減するため、水道基本料金を免除しています。免除期間は7月検針分から3か月分で、免除総額は約1.3億円となる見込みです。引き続き、市民の皆さまの安定した生活と事業者の事業継続を支援していきます。
  脱炭素で循環型社会の実現を目指す計画として、「第2次古河市環境基本計画」を7月に策定しました。本計画は、市民や事業者と市が一体となって新たな施策を進めていく指針となるものです。国が目指す2050年のカーボンニュートラルに向けて、温室効果ガス削減の取組などを推進します。
  夏の交通事故防止県民運動が7月20日から31日までの期間に実施されました。市では、古河警察署と古河地区交通安全協会と協力し、ドライバーと横断歩行者のコミュニケーションを題材にした啓発動画を作成しました。ホームページやLINEなどの様々なツールで配信することで、交通安全の意識啓発を行いました。

6 都市基盤について

  都市計画道路の見直しについては、道路の必要性や実現性などを見極めつつ、人口動態や交通量調査を加味したうえで、都市計画道路のネットワーク案を作成しています。現在は、見直し方針について県と協議を重ねている状況であり、今後は、住民に対し丁寧な説明をしながら、令和6年度の都市計画変更を目指します。
  筑西幹線道路西側の柳橋下大野線の整備については、9月中旬に路線の一部を仮設道路から新設道路への切り替えを予定しています。引き続き、渋滞緩和や歩行者等の安全確保、東西のアクセス向上のために、令和5年度の完成を目指します。
  古河駅東部土地区画整理事業については、大街区の一部を古河警察署建設予定地として令和6年度に売却する方向で関係機関と協議を進めています。また、事業区域内の都市計画道路西牛谷辺見線については、旭町今泉線から十間通りまでの約400mの区間を整備しており、今年度中の工事完成を目指します。
  公共交通事業の再編については、8月9日に開催した古河市公共交通活性化会議において、循環バス「ぐるりん号」の各コースの停留所や運行本数、運賃設定と、デマンド交通「愛・あい号」の市内全域での運行開始に伴う運賃設定が承認されました。引き続き、令和5年4月の運行開始に向けて準備を進めます。

7 行財政について

  ふるさと納税の推進については、インターネット上で募集の機会を拡大するため、10月より新たに2つのサイトを追加し、合計6つのサイトでの運用を開始します。また、魅力ある返礼品の提供を通じて、地元産業の活性化とふるさと納税額の増収を目指します。
  AIが音声データを解析して文字に変換する、AI議事録システムを7月から全庁的に導入しました。7月末時点で16課32件の会議や打ち合わせで利用され、議事録の作成・編集を効率化し、職員の負担軽減につながっています。今後もさらにAIの活用を進め、市民サービス向上や業務効率化を目指します。
  これまで金融機関に対して紙で行っていた預貯金等の照会業務をデジタル化するため、補正予算案を本定例会に上程しています。これにより、税負担の公平性と財源の確保を図るとともに、コスト削減に努め、滞納整理や生活保護業務の迅速な実施につなげていきます。
  民間提案を活用した窓口改善については、24社との直接対話を経て、7月に9件の提案書が提出されました。今後、若手職員によるワーキングチームや民間提案制度審査委員会による審査を経て、提案内容の事業化に向けた協定を締結し、事業者と意思疎通を図りながら事業の具体化を進めます。
  6月30日に行われた古河市優良工事施行業者表彰式については、昨年度80点以上の工事成績評定を受けるなど、優秀な成績を収めた建設業者7者に対し表彰を行いました。今後、この表彰を受けた業者に優遇措置を付して、試行的に入札を実施する予定です。
  古河庁舎の長寿命化を目的に、今年度から2か年の工程で外壁等改修工事を実施します。本工事では、屋根やトップライト、特定天井の改修も併せて行います。工事に際し、ご不便をおかけしますが、安全対策に万全を期して進めます。
  以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

(むすびに)

  衆議院茨城7区選出の永岡桂子議員が、8月10日に実施された内閣改造において、文部科学大臣として初入閣されました。6期目を迎えた国政の中で、これからの県西地域、茨城県、日本の未来を創るため「おかあさんの底力」を発揮していただくことを期待しています。
  現在、国において、新型コロナ、ウクライナ侵略、世界的な物価高騰など直面する課題に対応しながら、日本経済の再生を目指した新しい資本主義の実現に向けた動きが本格化しています。市でも、大胆に政策を決断、実行し、国や県と連携しながら課題解決に向けて取り組む所存です。
  議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和4年9月1日
古河市長   針   谷      力

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