令和4年第4回古河市議会定例会「市長報告」(令和4年12月6日)

更新日:2022年12月06日

 令和4年第4回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市の主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 国は、急激な円安に加えて、エネルギーや物価高騰など、生活にかかわる様々な課題への対策を講じる一方で、10月から全国旅行支援の実施やインバウンド規制の緩和など、新型コロナ対策と社会経済活動の両立に向けた取組を進めています。
 この秋は、新型コロナの影響により自粛していた市や地域団体が主催する多くのイベントが開催され、市内各所で賑わいが見られました。新型コロナの感染対策を徹底し、関係団体の皆さまや多くの市民の皆さまのご協力により無事に終了できたことを感謝申し上げます。
 新型コロナのワクチン接種については、11月から従来型ワクチンを上回る効果が期待されるオミクロン株対応ワクチンに切り替えて接種を行っています。対象は、接種を希望する初回接種を終了した12歳以上の全ての市民の方で、市内医療機関及び県の大規模接種会場並びに市が開設する集団接種会場で実施しているところです。
 また、あわせて未接種者に対する初回接種や、小児追加接種及び乳幼児初回接種も実施しておりますので、再度の感染拡大に備え、早めの接種のご検討をお願い申し上げます。
 既に報道されております通り、俳優の渡辺徹氏が逝去されました。古河大使であり旧知の仲であった渡辺氏の突然の訃報に、驚きと悲しみを隠せません。
 渡辺氏には、大使として平成19年度から市の魅力発信のため、メディアやイベントへの出演・講演など、本市のPRに多大なるご尽力をいただいておりました。
 故人のこれまでのご功績に心より感謝を申し上げるとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 10月24日から11月13日にかけて、市民参加のまちづくりを目的に、「市長と語ろう まちづくり」を開催し、全7回で321人が参加しました。「官民連携で地方創生」をテーマに、古河市の官民連携の取組を紹介し、市民の皆さまとこれからのまちづくりに向けた活発な意見交換を行いました。
 男女共同参画及びダイバーシティ社会を推進するため、秋のお祭り会場で「一行詩男女の詩」の応募作品への投票を呼びかけるなどの啓発活動を行いました。また、10月5日には県ダイバーシティ推進センターの職員を招いて、乳幼児を子育て中の市職員を対象に研修会を実施しました。働き方や家庭生活のあり方について改めて考えるきっかけとなり、育児休業取得率の向上につながることを期待します。
 市民の市への愛着や誇りを醸成するとともに、市外における市の認知度向上を図るため、シティブランディングを実施します。「こが くらす」を合言葉として、古河市の価値が市内外で共感、共有していただけるものとなるよう、ブランド戦略の策定やブランドメッセージの開発、PRなどに取り組んでいきます。

2 健康福祉について

 重層的支援体制整備事業のうち、参加支援事業については、ひきこもり者及びその家族を主な対象者として、相談窓口を開設するとともに、対象者の社会参加を支援する個別プログラムを提供しています。民間事業所に委託して事業を実施しており、10月末現在で延べ358件の相談及び支援を行っています。
 11月から、市と民間の支援団体等で組織する「生活困窮者支援プラットフォーム」において、コロナ禍や物価高騰等の影響を受けている生活困窮者への支援方法を協議しています。協議された新たな取組は、年度内に試行的に実施できるよう検討しています。また、市内の子ども食堂の実施団体とも連携、協働する体制を確保していきます。
 現在、電力・ガス・食料品等の物価高騰による影響を踏まえた支援を、国や県と連携して実施しています。
 特に家計への影響が大きい住民税非課税世帯等の低所得世帯に対し、国の電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金として、1世帯あたり5万円を支給しています。対象となる世帯には市からプッシュ型で確認書を送付することで、お困りの方々へ確実に支給します。
 また、困難に直面している低所得の子育て世帯に対し、県の生活応援特別給付金として、対象児童1人あたり5万円を支給しています。市では、事業の対象となる世帯のうち、申請が不要な世帯に対して、11月18日に給付金を支給しました。
 さらに、市独自に市内の介護及び障害サービス事業所並びに保育施設及び医療機関等の運営を支援するため、施設規模に応じて補助を行います。なお、支援に必要な補正予算案を本定例会に上程しています。

3 教育文化について

 文化施設整備事業については、(仮称)古河市新公会堂の整備に向けた検討報告書を9月に策定しました。この報告書に基づき、現在、建設候補地の選定や施設の規模・機能を盛り込んだ基本構想・基本計画を策定するための準備を進めているところです。
 9月1日から古河第三小学校と古河第五小学校の給食室を学校給食センターへ統合し、給食の提供を開始しました。また、古河第三小学校においては、給食室を児童クラブとして整備する工事を9月から行っており、現在より定員を15名増やして令和5年度の開設を目指します。なお、既存の児童クラブ施設は令和5年度中に解体工事を行う予定です。
 11月16日に、人権意識の高揚と、人権問題への正しい理解・認識を目的に、「人権について考える会」を開催しました。動画収録による小中学生の作文発表をはじめ、東洋大学准教授の小島貴子氏を講師に迎えた学習会では「アンコンシャスバイアスの外し方(無意識の偏見と決めつけ)から解き放される」をテーマにご講演いただき、教育関係者120人が参加しました。
 7月に制作した篆刻美術館公式マスコットキャラクター「刻狸」が、「ミュージアムキャラクターアワード2022」でホームページ上の投票の結果、9月に新人賞を獲得し、総合で4位に輝きました。今後、刻狸クリアファイルをはじめとするミュージアムグッズを制作・販売し、篆刻及び篆刻美術館の更なる周知・普及に努めます。
 博物館施設が密集する駅西地区の活性化を図るため、各種イベントの開催やミュージアムグッズの開発・販売を行っています。12月10日には博物館見学とジャズコンサートの複合イベントを開催します。また、古河文学館では、今年で15回目を迎えた公募企画「1ページの絵本」について、38都道府県から過去最多7,200点あまりの応募がありました。12月18日には入賞者の表彰式を実施する予定です。
 11月3日に、体験型スポーツイベントとして「スポーツフェスタ古河2022」を初めて開催しました。当日は、個人やグループなど約4,000人が来場し、トップアスリートとともに22種目の幅広い競技の体験を通じて、スポーツに親しみを持っていただき、来場された皆さまの健康増進を図ることができました。

4 産業労働について

 10月から11月にかけて、「古河関東ド・マンナカ祭り」、「さんさんまつり」、「古河よかんべまつり」などのイベントが開催され、多くの来場者で賑わいました。新型コロナ等の影響により久しぶりの開催でしたが、今後も企業や出店者など参加された皆さまのご協力により、地域産業の振興と、民俗芸能の保存・継承が持続できることを期待しています。
 「道の駅まくらがの里こが」における冬場の来場者の増加と域内経済の好循環拠点となることを目指して、大型クリスマスツリーを12月26日まで展示しています。11月19日の点灯式を行ってから、これまで多くの来場者に楽しんで頂いています。今後も様々な工夫やサービスを提供し、より一層の魅力度向上に努めていきます。
 10月20日に東京区政会館で行われた「茨城ふるさとフェア」において、地元のバラや野菜等のPR販売を実施し、1時間足らずで完売しました。今後も、季節ごとに青果物銘柄産地の指定を受けている農産物や地場産品のPRを行い、消費宣伝活動による知名度向上を期待しています。
 農業用資材の価格高騰による農家への影響を緩和するため、農業用廃プラスチックのリサイクル処理費用を、今年度に限り、市が全額負担することで農業事業者の負担を軽減します。農業経営の安定化と農業用廃プラスチックのリサイクル化を推進するため、支援に必要な補正予算案を本定例会に上程しています。

5 生活環境について

 10月30日にコスモスプラザにおいて、三和北中学校区の住民を対象とした地域防災訓練を行い約300人が参加しました。震度6強の直下型地震の発生を想定した災害図上訓練を行い、防災活動の円滑化、協力体制の強化を図りました。また、屋外では起震車や車中避難体験などの展示ブースを設置し、防災知識の普及啓発を行いました。
 地球温暖化対策事業について、令和4年度から13年度までの10年間を計画期間とする「第2次古河市地球温暖化対策実行計画」を策定しました。本計画は、市の公共施設や小中学校を含む全施設と全部署を対象とし、職員ひとりひとりが温室効果ガスの排出削減の取組を進めていく指針となるものです。引き続き、2050年のカーボンニュートラルに向けて取り組んでいきます。
 10月29日にユーセンターKI防水において、全国空き家アドバイザー協議会茨城県古河支部と協力して「空き家セミナー」を開催し106人が参加しました。セミナー終了後には、空き家に対する疑問や不安を解消するため、司法書士や建築士などの専門家による個別相談会を実施し、13組の相談がありました。
 下水道の普及促進の一環として、9月10日の「下水道の日」に併せ、三和庁舎にて9月10日から16日まで展示会を開催しました。下水道をテーマとした展示会は初めての試みであり、市内に設置されているデザインマンホールや、昨年度下水道コンクールの市内小中学生の入賞作品などを展示し、670人が来場しました。
 また、10月9日には、「古河関東ド・マンナカ祭り」の会場において、明るい選挙推進協議会と選挙管理委員会が協力し、市内に設置している6種類のデザインマンホールのふたを候補者に見立てた模擬投票を行い、975人が投票しました。将来の有権者である若者の関心を引くことで、選挙の投票率向上につながることを期待します。
 市民や事業者の皆さまの負担を軽減するため実施している水道基本料金免除の期間を12月検針分まで延長します。免除総額は、約2億7千万円を見込んでおり、引き続き市民の皆さまの安定した生活と事業者の事業継続を支援していきます。

6 都市基盤について

 古河駅東部土地区画整理事業については、大街区北側の135街区3.8haで行っていた事業者公募において、優先交渉権者として伊藤忠商事株式会社、株式会社丸増のグループに決定し、12月末の協定書締結に向け、準備を進めています。また、大街区南側の143・145街区については、古河警察署の移転に向け、県警等の関係機関と今後のスケジュールについて協議を行っているところです。
 古河公方公園の花桃については、美しい桃林に磨きをかけ、日本一の花桃の里となるよう、2,000本の桃林を目指し、企業版ふるさと納税を活用しながら、計画的に植栽を実施していきます。
 新4号国道アクセス道路整備事業については、新4号国道から野木町総合運動公園までの道路を新設し、古河市北東部から野木町までの通勤通学路を確保するものです。国庫補助金等を活用して財源確保しながら、令和7年度の事業完了を目指し、整備を行います。
 幹線道路新設改良事業については、思案橋通りと国道354号を結ぶ道路で、東北新幹線東側の市街化区域に位置しています。歩行者等の安全確保と交通利便性向上を図り、また、市街化区域の土地利用の促進に向け、令和6年度の事業完了を目指し、整備を行います。
 身近な生活道路の整備について、10月末現在で、道路改良工事8路線、道路補修工事4路線、舗装補修工事9路線、簡易舗装工事1路線、測量業務11路線を発注し、側溝清掃や水路清掃のほか欠損部補修239件を実施しました。今後も、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に取り組みます。

7 行財政について

 株式会社デイトナ・インターナショナルと協働で行う地方創生事業として、古河市オリジナルデザインを用いたふるさと納税返礼品を11月から展開しています。市と&FREAK.(アンドフリーク)がコラボレーションした返礼品で魅力を発信し、市の知名度向上と交流人口の拡大を通じて、地方創生を推進します。
 また、&FREAK.では12月17日から1月29日にかけて、市出身フォトグラファーRKこと小菅亮輔氏の監修による個展「FREAK」を入場無料で開催します。世界で注目される日本人アーティストのひとりであるRKの、幻想的な色彩で切り撮る作品をご覧ください。
 IT機器の普及による情報格差の解消に向けて、地元民間企業と連携しながら対応を図るため、9月26日に株式会社サンオーコミュニケーションズと「デジタルデバイド解消に向けた連携に関する協定」を締結しました。今後は、住民のICTリテラシー向上のため、相互に連携して取り組みます。
 具体的な取組としては、65歳以上の方を対象に、12月から2月にかけて各地区でスマートフォン講座を予定しており、12月は古河地区で開催します。講座では、今後の公共サービスのデジタル化を見据えて、市公式 LINEの利用方法やマイナンバーカードの申請方法などについて学べます。
 今年度末までに、国が掲げるほぼ全ての国民がマイナンバーカードを取得する目標の実現に向け、庁内で一丸となって取り組んでいます。10月から市内商業施設等での出張申請サポートを開始したほか、証明書のコンビニ交付促進に向けて「コンビニ交付10円キャンペーン」を2月に開始するため、関連する条例改正案を本定例会に上程しています。
 市民総合窓口の改善・改革について、9月13日に民間提案制度により選定した株式会社セゾンパーソナルプラスと提案内容の事業化に向けた協議を行う協定書の締結を行いました。今後、市民サービス向上のため、官民で連携し必要な調査・検討を進めていきます。
 市公式LINEは、自身のスマートフォンにタイムリーに情報が届き、受信設定で必要な情報を選択できるため、現在約35,000人の登録があります。市公式アプリ「コガノイロ」については、LINEの登録者数の増加と、各機能が代替できるため、今年度末をもって運用を終了する方向で進めており、今後も効果的な情報発信のため、LINE機能の充実を図ります。
 以上、現在実施している事業等について、ご報告させていただきました。

(むすびに)

 師走を迎え日に日に寒さが厳しくなりましたが、年末の風物詩となる「古河提灯竿もみまつり」が3年ぶりに開催されました。これまで新型コロナの影響により季節ごとのイベントも自粛しておりましたが、こうして再開できることは、市民の皆さまの感染対策へのご理解とご協力によるところが大変大きいと感じています。
 国は、新型コロナの再度の感染拡大に警戒するとともに、この冬は季節性インフルエンザワクチンの需要の高まりへの備えもしています。市でも、今年度に限り小児用インフルエンザワクチンの接種について、増額助成を行っています。引き続き、新型コロナに対する正しい理解と、基本的な感染対策の徹底をお願いします。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。
令和4年12月6日
古河市長   針   谷      力

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