令和5年第3回古河市議会定例会「市長報告」(令和5年8月31日)

更新日:2023年08月31日

  令和5年第3回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市の主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

  まず、6月から7月にかけて、九州から東北の日本海側を中心とした、梅雨前線や線状降水帯の発生による記録的な大雨により、亡くなられた方々のご冥福を、謹んでお祈り申し上げます。また、被害を受けた地域の皆さまにお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
  今年は、1923年に発生した関東大震災から100年の節目に当たります。その発生日である9月1日が「防災の日」と定められており、近代日本における災害対策の出発点となっています。大規模地震を想定した備えの重要性について、それぞれが我が事として主体的に考えることが求められています。
  これから自然災害が多発する季節を迎えますが、近年における災害は、気候変動などにより激甚化する傾向にあります。災害を防ぐことはできなくても、備えることはできます。過去の災害にしっかり向き合い、それぞれの立場、また、それぞれの地域で、防災について考える機会にしていただきたいと思います。
  それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

  自治組織運営事業及びコミュニティ推進事業については、7月から8月にかけて、地域の夏祭り等の活動が数多く再開されました。今年度拡充している補助金や助成金は、自治組織と地区コミュニティにより50件以上活用されています。9月以降も各地域でお祭り等のイベントが予定されていますので、引き続き、地域活動の再開を支援していきます。
  また、7月27日に、コミュニティ推進協議会主催による地区コミュニティ研修会が4年ぶりに開催されました。当日は各地区コミュニティから35人が参加し、地区コミュニティの在り方や助成金の活用について、座学と意見交換により活動への理解を深めました。
  ブランド戦略については、市内外に向けたPRとして、7月4日に「こが くらす」特設ウェブサイトを開設しました。ブランド戦略に関する各種の取組を紹介するほか、市外からの視点で古河市の良さを発信してもらう「古河サポーターズ」の記事も掲載しています。
  また、8月27日に、とねミドリ館において市民ワークショップを開催し、多くの方にご参加いただきました。一人ひとりに「こがでくらすと」の先に続く言葉を考えてもらうほか、参加者と古河の魅力を共有、共感することで、発信を促すきっかけになることを期待します。

2 健康福祉について

  出産・子育て応援事業については、妊娠期から子育て期の相談支援体制を充実するため、新たに7月より電子母子手帳機能のある子育て応援アプリ「こがすく」の運用を開始しました。また、経済的支援と併せて実施している妊娠届出後に専門職と面談した方の割合は、昨年度の36%と比べて、今年度は99%にまで上昇しています。
  エネルギー・食料品等の物価高騰の影響を踏まえ、昨年度に引き続き、介護・障害サービス事業所、保育施設等及び医療機関等の運営を支援するため、市内にある598事業所に対して、施設規模に応じた支援金を給付します。
  重層的支援体制整備事業のうち生活困窮者世帯等の見守りを兼ねた食料品や日用品等を宅配する事業については、4月から古河市社会福祉協議会に委託して実施しており、7月末までに延べ30件の世帯を支援しています。
  8月9日及び10日に、市内小中学校の教職員等51人を対象に、ヤングケアラーへの理解を深めるための研修を実施しました。今後は、福祉事業所職員等への研修を予定しており、ヤングケアラーの早期発見・早期支援に向けて啓発を実施していきます。
  熱中症予防については、公民館や図書館を新たにクールスポットとして、9月末まで試行的に開放しています。これは、熱中症特別警戒アラートが発表されていなくても、指定暑熱避難施設として一時的に暑さをしのぐための施設です。来年は、市内により多くのクールスポットが設置できるよう商業施設等の協力を得ながら、熱中症対策を強化していきます。

3 教育文化について

  7月13日に、第1回 (仮称)古河市新公会堂基本構想・基本計画市民委員会を開催しました。また、市民及び文化団体へのアンケート調査を実施し、多くのご意見やご要望をいただきました。今後は、アンケートの結果を踏まえてコンセプトや施設機能、建設候補地など、具体的な計画の策定に取り組んでいきます。
  7月の定例教育委員会で、地域学校協働活動の重点校3校の地域学校協働活動推進員を委嘱しました。推進員には、地域と学校間の連携・協働に向けた活動の推進を担っていただきます。今後は、研修の機会を提供しながら、地域全体で子どもたちの成長を支えていくため、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動を一体的に推進していきます。
  部活動支援事業について、現在、市内中学校7校に8人の部活動指導員を配置しています。7月14日には部活動指導員研修会を開催し、指導員としての服務や緊急時の対応、保護者との連携について確認するなど、地域移行がスムーズにできるよう、資質向上や部活動運営の在り方について研修を行いました。
  7月9日に、フレンドリータウン協定を結んでいる茨城アストロプラネッツの公式戦が、在住・在勤・在学の方を入場無料とした「古河市DAY」として開催され、974人が来場しました。特別企画の「こが くらす」オリジナル応援Tシャツを着用した市民を中心に、ヨシダスタジアムは白熱した試合展開で盛り上がりました。
  7月7日に、親や地域住民が子育てについて考え、家庭や地域の教育力の向上を図るため、家庭教育講演会を開催しました。医学博士でありクリニックの院長である司馬理英子氏を講師に迎え、学校関係者や一般の方、総勢156人が参加しました。
  8月4日に、不合理な偏見や差別の解消をはじめとする人権尊重のまちづくりの一環のため、人権教育講演会を開催しました。講演会は、自分らしく生きられる多様性社会について考える機会となりました。
  総和地域交流センター整備事業については、市民説明会を開催したところ37人にご参加いただき、7月10日まで募集したパブリックコメントには19件の応募がありました。令和7年度の開館に向けて、皆さまからいただいたご意見を精査し、引き続き、計画的に事業を進めます。

4 産業労働について

  未来産業用地開発事業については、東山田・谷貝地区に立地する企業が4社に決まり、同地区内すべての区域において立地する企業が決定しました。これを受け、周辺環境を整えるため、通学路等の必要となる機能の整備や、機能を廃止する施設の撤去などを行います。
  LPガス等価格高騰支援券の発行については、7月1日時点の市内全世帯に2千円分の支援券を8月下旬より簡易書留にて発送しています。また、プレミアムエール商品券については、5万冊の発行予定数を上回る、6万4千冊の申し込みがありました。希望者全員に購入していただけるよう商品券を追加発行し、市内経済の活性化につながる取組を推進します。
  昨年度に引き続き、原油価格高騰の影響を受ける市内運送事業者を対象に、車両保有台数に応じて50万円を上限とした支援金を給付します。また、市内農家を対象に、農業用廃プラスチックの処理費用の負担を軽減することで、農家経営を下支えする支援を行います。
  道の駅「まくらがの里こが」は、7月7日に開業10周年を迎え、延べ来場者数が1千万人を超えました。また、これを記念して、7月7日から9日までの3日間で10周年祭を開催し、多くの方が来場しました。今後も、来場者の増加に向け、大型遊具の設置やウッドデッキの整備を進めていきます。
  10月から12月にかけて行う茨城デスティネーションキャンペーンに併せて、古河市観光協会と連携し、提灯竿もみまつりの観覧やバルーンフリーフライト体験などをコンテンツとした新たなパッケージ旅行を企画します。また、駅周辺のミュージアムゾーンの回遊性を向上させ賑わいを創出するため、パークアンドサイクル事業を開始します。これにより、インバウンドの獲得や市の魅力発信を目指していきます。

5 生活環境について

  水害への備えとして、浸水想定区域の住民を対象とした「やってみよう!水害から命を守るシミュレーション」を、7月5日よりホームページで公開しています。これは、スマートフォンで手軽にマイ・タイムラインの作成ができるものです。また、9月3日に、ゴヨーふれあいスポーツセンターにおいて、自家用車による避難訓練を開催する予定です。
  地域防災力の充実を図るため、消防団第5分団詰所については、移転先の旧軽部医院の解体工事と詰所の建築工事を進めています。また、消防ポンプ自動車については、第10分団と第16分団の車両を更新する予定です。消防団員が火災時に着用する防火衣については、今年度より5か年計画で更新を行います。
  7月29日に、全国空き家アドバイザー協議会と連携して、野本電設工業コスモスプラザにおいて「空き家セミナー&個別相談会」を開催しました。増え続ける空き家の問題について、個別相談会で専門家のアドバイスを受けて解決したケースもあり 、悩みを抱える方にとって有意義な機会になりました。
  改正道路交通法の施行により、すべての自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となったことから、10月1日より新たにヘルメット購入費の一部助成を行います。自転車の乗用頻度の高い18歳以下及び65歳以上の市民を対象にすることで、自転車の交通事故による被害軽減につながるヘルメットの着用を促進します。
  カーボンニュートラルの推進については、9月より次代を担う若い世代である、市内中学校9校の1年生、約千人を対象に「押しかけ講座」を実施し啓発を図ります。さらに、配電盤茨城団地協同組合と連携協定を結び、団地内企業17社と協同で工業団地のカーボンニュートラルへの取組を開始します。また、アドバイザーとして、経済産業省から、国の最新動向や他地域の取組事例等の情報提供や助言を得ることにより、カーボンニュートラルの推進を強化していきます。

6 都市基盤について

  古河駅東部土地区画整理事業については、5月26日に伊藤忠商事株式会社と大街区北側135街区の保留地売買契約を締結し、7月14日に保留地の引き渡しを行いました。引き続き、交流拠点として相応しい土地利用と、良好な市街地形成に向けて事業を推進していきます。
  駅南地区のまちづくりについては、区画整理が長期未着手であり課題となっていましたが、昨年度に都市計画変更を行いました。これにより、地区計画に基づく良好な住環境の確保を図るため、地区内の区画道路の路線測量等を行い整備に向けた取組を進めています。
  公園の整備については、古河公方公園とサンワ設計ネーブルパークにおいて、国の交付金を活用した地方創生事業に取り組んでいます。
  古河公方公園では、園内の桃林を継続的に植栽整備するほか、隣接エリアをカキツバタ園として整備します。また、サンワ設計ネーブルパークでは、園内キャンプサイトエリア及びバーベキュー広場をリニューアルし、魅力的な空間の演出を図ります。主要な公園の魅力をさらに向上することで、来訪者の増加を図り、地域の活性化につなげていきます。

7 行財政について

  県西地域総合振興協議会において、7月13日に、知事へ「令和6年度県西地域の振興に関する要望書」を提出しました。また、要望書提出後は知事をお招きしての懇談会を4年ぶりに開催しました。県西地域の抱える課題の解決に向け、各市町の連携を強化するとともに、県の積極的な支援及び協力を求めていきます。
  第2次古河市総合計画第3期基本計画の策定については、市民の皆さまからのご意見を計画に反映するため、7月から9月に「まちづくり市民会議」を3回に分けて、延べ54人に参加いただき開催しています。この市民会議では、テーマごとに市の魅力や課題、未来の古河市の姿について、自由に意見交換をしていただいています。
  官民連携の取組として、7月から新たに民間提案制度を創設し、ホームページでの募集を開始しました。大きくフリー型とテーマ型の2つの区分で、広く民間事業者から地域の課題解決に向けたアイデアを募集しています。今後は、民間の柔軟な発想や創意工夫を聞くことで、市の発展に寄与する事業を検討していきます。
  官民連携による窓口改善については、令和6年6月からの窓口委託化を目指し、株式会社セゾンパーソナルプラスと共に業務調整を行っています。民間のアイデアやノウハウを活用するため、実務研修を行った管理スタッフを追加配置し、業務の円滑な移行と市民サービスの向上を目指します。
  国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用して、新たに地域商社事業を立ち上げる一般財団法人古河市地域振興公社の支援を行います。地域振興公社には、ふるさと納税の拡充による歳入の確保や、地元事業者の販路拡大の支援、公園施設等での物販促進による交流人口の拡大を期待します。
  急速に普及するChatGPTの活用については、6月より庁内に調査研究チームを設置し、活用事例の調査や利用ガイドラインの策定などに向けた調査研究等を行っています。9月には、全職員を対象とした検証利用を開始する予定です。今後も新しい技術やサービスに積極的に取り組み、市役所DXの実現を目指します。
  以上、現在実施している事業等についてご報告させていただきました。なお、これらの事業の実施に必要な補正予算案を本定例会に上程しています。

(むすびに)

  今年の夏を振り返ると、猛暑日が多く、暑い日々を過ごされたと思います。また、感染症の対応から平時へ移行して迎えた夏休みは、帰省やお祭りなど世代間での交流も再開され、各地域で賑わいが見られました。
  これから市内各所では秋から冬に向けて、特色あるお祭りなどのイベントが予定されています。幅広い世代の方が楽しめる催しがありますので、ぜひご参加いただき、交流や親睦を深めていただきたいと思います。
  議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和5年8月31日
  古河市長   針  谷  力

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