令和5年第4回古河市議会定例会「市長報告」(令和5年12月5日)

更新日:2023年12月05日

  令和5年第4回古河市議会定例会の開催にあたり、古河市の主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

  まず、本年10月に市が事務局となり管理している古河花火大会実行委員会の通帳及び通帳印が紛失していた事実については、市役所を代表して深くお詫びを申し上げます。あらためて全職員の服務規律の徹底に努め、信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。
  さて、政府が11月に取りまとめた経済対策では、足元の物価高から国民生活を守るとともに、長年続いてきたコストカット型の経済から活発な設備投資や持続的な賃上げ、人への投資による経済の好循環が実現する熱量を感じられる新たなステージへの転換、これを確実に進めていく考えを示しています。
  市では、経済、人材、あるいは文化の交流、様々な面でつながりを深めていくことが喫緊の課題であると思っています。市のポテンシャルを活かした地域経済の好循環をもたらす事業に着手し、あらゆるステークホルダーの皆さまとのつながりを大切にしながら、前例にとらわれない広い視野と新たな発想で、未来への種を蒔き、花を咲かせてまいります。
  それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

  10月27日から28日にかけて、4年ぶりに行政自治会の視察研修が福島県において開催され、60人の参加がありました。また、11月21日には、コミュニティ推進協議会の視察研修が東京都において開催され、44人の参加がありました。引き続き、地域活動の再開を支援していきます。
  男女共同参画の取組として作成した「古河市の輝く女性事例集」掲載者を講師に迎え、男女共同参画セミナーを開催しています。第一弾となる11月18日のセミナーには21人が参加し、12月16日開催予定の第二弾には、定員を超える申込みがありました。今後も、女性活躍の啓発を図ると共に、自分らしく活躍できるきっかけ作りの場を提供します。
  11月13日から26日にかけて、市民参加のまちづくりを目的に、「市長と語ろう まちづくり」を開催し、全7回で延べ410人が参加しました。「まちに活力、人に安心、魅力あふれる都市づくり」をテーマに、第2次古河市総合計画第2期基本計画の取組を紹介し、市民の皆さまとこれからのまちづくりに向けた意見交換を行いました。
  11月26日に、景観形成重点地区を中心とした古河駅西口エリアを「歩いてみたい」「また行ってみたい」と思える場所にしていくため、まちなかDIYワークの参加者と企画したまち巡りイベント「出城ノモリ」を開催しました。今後も、自身のまちに関心を持つ人たちと一緒に、古河特有の景観を活用した賑わいづくりを行っていきます。
  まちの魅力を創造する提案活動支援交付金については、新型コロナウイルス感染症の5類移行を受け、魅力的な提案活動が実施されており、今年度は5件の提案活動に対して、交付金を交付しました。
  一般財団法人地域活性化センター主催の「地域プロモーションアワード2023」の動画部門において、応募作品134点の中から「こがくらす」ブランドムービーが大賞を受賞しました。この受賞を機に、様々なメディアで取り上げていただくことで、ブランド戦略「こがくらす」のさらなる推進につなげていきます。

2 健康福祉について

  新型コロナワクチンの令和5年秋開始接種について、現在、生後6か月以上の市民を対象に実施しており、11月末までに対象者約11万8千人へ接種券を発送しました。市では、27医療機関での個別接種に加えて、古河市医師会の協力を得ながら集団接種を行い、希望する方が安全で円滑にワクチン接種を受けられるよう接種体制の確保に努めています。
  古河市地域生活支援拠点「こがサポ」については、今年度、新たに設置した拠点コーディネーターが、1件の緊急対応を行いました。引き続き、障がいのある人の生活を地域全体で支える体制を整備するため、事業所への説明会等によりサポート体制への理解と協力を呼びかけます。
  高齢者外出支援タクシー運賃助成事業については、申請のあった75歳以上の方を対象に、タクシー運賃を一部助成する「ふくとく・チケット」を交付します。これにより、高齢者の社会参加を促進し、利便性の向上と福祉の増進を図ります。12月から申請を受け付けており、来年1月から実施となります。

3 教育文化について

  9月26日に、三和中学校において、NPO法人茨城県防災士会の防災士を講師に迎え、防災教育授業を行いました。避難所で起こる出来事を模擬体験するゲームであるHUG(ハグ)を使った授業には、同校2学年の生徒と関係者をあわせた98人が参加しました。
  11月3日に、イーエスはなもも中央運動公園において、「スポーツフェスタ古河2023」を開催し8,500人が参加しました。当日は、幅広い競技のプロアスリートがゲストとして参加し、来場された皆さまは、競技体験を通じてスポーツに親しみを持っていただき、健康増進を図ることができました。
  芸術文化や歴史文化などの基本方針として、古河市文化芸術振興基本計画を作成しています。1月頃にパブリックコメントを実施し、社会教育委員及び教育委員会の審議を経て、2月末の計画完成を目指します。
  9月から12月にかけて、さまざまな会場で市民文化祭を開催しています。市民参加のもとに、市の優れた芸術文化の公演や発表を促し、広く市民に鑑賞する機会を提供しています。市の文化団体等の活性化を図ることにより、芸術の創造と進展に寄与することを期待しています。
  昨年7月に制作した篆刻美術館公式マスコットキャラクター「刻狸」が、「ミュージアムキャラクターアワード2023」において、全国で58点の応募の中、グランプリを獲得しました。今後も「刻狸」と共に、日本で唯一の篆刻美術館として知名度向上を目指します。
  総和地域交流センター整備事業については、幅広い世代の市民の皆さまからいただいたご意見を取りまとめ、10月に基本設計が出来上がりました。現在、詳細設計に着手しており、令和7年12月の開館を目指して着実に業務を進めています。
  公民館講座「まなびピアこが」後期講座については、9月から講座の募集をしたところ、1,697人から応募があり、66講座で905人が受講しています。今後も、市民の講座ニーズを把握し、教養の向上、健康の増進等を目的とした学習の機会を提供していきます。

4 産業労働について

  未来産業用地開発事業「東山田・谷貝地区」については、9月25日に、市と立地企業と地権者協議会の3者で、立地企業協定書を締結しました。これにより、三協フロンテア株式会社、株式会社イチネンケミカルズ、株式会社セイシン企業、関東建運株式会社の4社が立地企業に決定しました。今後も、立地企業が行う地域経済牽引事業を円滑に進めるため、関係者と協力して事業を進めていきます。
  交通インフラが充実する「大堤地区」を新たなまちづくりの拠点としていくため、地域未来投資促進法を活用し、未来産業用地開発事業を進めています。9月22日に、同法に基づく「茨城県古河市基本計画」が国の同意を得たところであり、11月15日には、地元地権者への説明会を行いました。今後も、着実な事業進捗が図れるよう、さまざまなステークホルダーの皆さまと協議を重ねていきます。
  8月21日に、商工会議所青年部主催の第3回古河YEG夢実現プロジェクト「古河市に想いを提言~高校生の主張~」が開催され、市内に在学する高校生が地域の課題や魅力をテーマとしてグループディスカッションを行いました。9月30日には、将来を担う若い世代の想いをまとめた意見が、市に提言書として提出されています。
  10月16日と11月21日に、市内での創業を促進するため、ビジネスモデルの構築や資金調達など、創業に必要な要素に応じた支援を行う創業支援セミナーが、商工会議所において開催されました。延べ47人が参加し、9人が市内で年度内に創業する予定です。
  今年の秋から冬にかけて、市の代表するイベントの「古河関東ド・マンナカ祭り」、「さんさんまつり」、「古河よかんべまつり」、「古河提灯竿もみまつり」が盛大に開催されました。多くの来場者の笑顔を目の当たりにして、また来年も古河のまちが賑わうことを期待しています。

5 生活環境について

  カーボンニュートラルの推進については、配電盤茨城団地協同組合と連携し、モデル事業を実施しています。現在4社に対し、専門家から現地診断やエネルギー効率向上のアドバイスを受けられる、省エネ診断を実施しています。今後は、診断結果を参考に各企業が独自に行う取組と連携して、工業団地のグリーン化を目指していきます。
  ペットの適正飼育を促進するため、新たに開始した飼い猫の登録制度については、初年度となる今年度に限り、500円の登録料を無料で実施しています。普及促進を図るため各種PRを行っており、年間目標1,000件に対して、9月末までの半年間で1,315件の登録がありました。今後も、登録制度により、猫の適正飼育に対する意識向上を図ります。
  古河市斎場については、施設の老朽化に伴い令和3年10月より改修工事をしています。このうち、新しい火葬棟が完成し、11月22日から運用を開始しました。今後は、令和6年5月の完成を目指して既存建物の改修を行います。本工事は、施設を運営しながらの工事となりますので、引き続き、利用者の安全と利便性を十分配慮しながら計画的に進めます。
  12月1日に、古河第三小学校前交差点において交通安全街頭活動キャンペーンを実施し、私も議長や古河警察署長をはじめ各交通安全関係団体の皆さまと一緒に、交通安全の呼びかけを行いました。今後も、自転車乗用時のヘルメット着用率向上と併せて、街頭活動を定期的に行い、交通安全の啓発に取り組みます。
  また、茨城県警の公式防犯アプリ「いばらきポリス」については、地域における犯罪・交通事故・不審者等の発生情報を確認できるだけでなく、防犯ブザーや子どもの見守りなどの機能も充実しています。防犯対策の一環として、この機会にぜひ導入をお願いします。

6 都市基盤について

  住民の安全・安心な生活基盤を確保するために、水害を未然に防ぐための治水機能の向上について、国土交通省等に対して、10月4日には渡良瀬遊水地に隣接する4市2町の首長で、10月24日には五県連合利根川上流改修促進期成同盟会として要望活動を行いました。
  さらに、10月30日には27団体で構成する茨城県市街地整備推進協議会として、古河駅東部土地区画整理事業を含む県内の土地区画整理事業の着実な進展に必要な事業費を確保するため、国土交通省等への要望活動を行いました。
  古河駅東部土地区画整理事業については、大街区北側135街区の伊藤忠商事株式会社への引き渡しが完了し、現在、令和6年度秋の商業施設開業に向けて工事が進められています。また、大街区南側143、145街区の一部については、古河警察署建設予定地として今年度末に売買契約を締結する予定です。
  下大野線整備事業については、測量や設計・調査業務を進めているところです。また、11月1日に、住民の皆さまに事業内容を理解していただくために、住民説明会を開催しました。引き続き、早期完成を目指し、事業を進めていきます。
  古河駅北西部のエリアについては、災害時の防災機能の向上や、交通安全の確保を目的として、国の交付金を活用して整備を行っています。今年度は、古河公園の整備や市道のカラー舗装、防犯灯の改修等を行い、安心安全な居住環境整備に努めます。
  古河公方公園については、カキツバタ園の整備を行いました。隣接する桃林エリアと合わせて、来園者にとって魅力のある空間とすることで、さらなる来園者の増加を目指します。
  デマンド交通「愛・あい号」の運行再編については、10月末での新規登録は1,679人で、そのうち新たに運行エリアを拡大した古河地区では、1,327人の登録がありました。循環バス「ぐるりん号」と併用して利用いただくなど、移動手段の選択肢を増やし、誰もが気軽で便利に利用できる公共交通ネットワークの形成を目指します。

7 行財政について

  9月20日に、株式会社ホリプロとの包括連携協定を締結しました。この協定では、未来を担う子どもたちに夢を与えるまちづくりや、市のPR及び地域の活性化に関することについて、相互の資源を有効活用しながら取り組んでいきます。
  また、10月31日に、鎌倉市との文化・観光交流協定を、鎌倉市役所において締結しました。両市は、歴史的・文化的に深い関わりを持ち、共に豊かな自然や多くの歴史と文化遺産が現代へと受け継がれています。11月5日に古河文学館で行われた、両市の名誉市民である永井路子氏のお別れの会には、鎌倉市長も献花を行いました。今後は、歴史・文化面を中心とした交流による文化振興とさらなる地域の発展を目指します。
  ChatGPTの活用については、庁内の調査研究チームによる事例調査や、利用ガイドライン策定等を経て、9月に全職員を対象とした検証利用及びアンケートを実施しました。その結果、業務効率化に一定の効果が確認できたため、令和6年度の本格導入に向け、準備を進めています。
  古河ケーブルテレビ株式会社と協働で進めている公共Free Wi-Fiの設置については、11月から三和庁舎1階及び2階ロビーで新たに運用を開始しました。今後は、三和図書館資料館及び三和地域交流センター等への設置を進めていきます。
  10月8日に、「古河関東ド・マンナカ祭り」の会場において、明るい選挙推進協議会と選挙管理委員会が協力し、学校給食デザート選挙の模擬投票を行いました。将来の有権者954人の投票により、最多得票を獲得したストロベリーカスタードタルトを学校給食で提供することで、広く選挙に関心を持ってもらうことを期待しています。
  新たな古河大使として、故 渡辺徹氏の奥様である榊原郁恵氏とご長男の渡辺裕太氏を任命しました。交付式は、11月28日の一周忌市内特別公演後に行われ、観客の皆さまからの温かい拍手に包まれました。今後お二人には、当市のさまざまな魅力をPRしていただきます。
  以上、現在実施している事業等についてご報告させていただきました。

(むすびに)

  今年は、新型コロナウイルス感染症が5類に位置付けられ、時代の大きな転換点を迎えました。
  古河市は、古くから政治・文化・交通の要衝として発展し、歴史が育んだ英知も脈々と受け継がれています。どのような時代にあっても、一人ひとりが希望を見出し、自らの力を存分に発揮できる社会にすることが、市の発展を持続可能にし、さらには日本全体を元気にする鍵となります。
  古河市の未来、私たちの暮らしの未来を考える時、つながりを大切にすること、そして、一人ひとりがプレイヤーとして行動することが重要です。私は、皆さまと共に、新たな価値を生み出す都市を創造するため、明るい未来に挑むチャレンジャーとして、スピード感をもって果敢に取り組む所存です。
  議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

令和5年12月5日
古河市長  針  谷    力

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