平成29年第4回古河市議会定例会「市長報告」(平成29年12月5日)

更新日:2020年11月30日

 平成29年第4回古河市議会定例会の開催にあたり、市における主要な施策および事業の執行状況等について、ご報告いたします。

(はじめに)

 まず、10月下旬の台風21号および22号による相次ぐ災害で、お亡くなりになられた皆さんに哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
 市職員の懲戒処分等を10月6日に行いました。職務に専念する義務違反等による数件の信用失墜行為がありましたこと、あらためて市民の皆さまに深くお詫び申し上げます。今後より一層の厳正な服務規律の確保と公務員倫理の確立を図り、市民の信頼回復に全力で努めてまいる所存であります。
 さて、先の茨城県知事選挙において、多くの県民から県政の刷新が求められた結果、6期24年間続いた橋本知事に代わって大井川新知事が県政の舵取りを担うことになりました。挑戦する県政を標榜し、「新しい茨城づくり」に取組む大井川知事の手腕に大きな期待をするとともに、県と連携を深めながら古河市のまちづくりを進めてまいります。
 この秋も、市内各所においてさまざまな行事やイベントを開催しましたが、多くの市民の皆さまのご来場をいただき、大きな盛り上がりを見せました。一方、さんさんまつり等につきましては、大変残念でしたが、悪天候によりやむを得ず中止とさせていただきました。これらの行事の準備等に尽力された皆さま方に感謝申し上げます。

 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況および進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 10月から11月にかけて、「市長と語ろう まちづくり」を開催しました。市内を9つのブロックに分け、それぞれの地域に出向いて市民の皆さまと対話を行うもので、私から市の現状や課題、今後のまちづくりの方向性等について説明し、市民の皆さまと意見交換をさせていただきました。今後も、市民の皆さまとの対話を重視しながら市民参加のまちづくりを進めていきます。
 国際友好交流都市である「中国三河市(さんほうし)」の教育交流考察団8名が、11月26日から30日にかけて古河市を来訪しました。市内の学校の視察や教育関係者との意見交換会などの交流事業を通じて、教育や異文化への相互理解や国際感覚の醸成が図られました。
 コミュニティ推進事業について、地域の歴史性や特性に見合った協働の場をつくることを目的に、地区コミュニティが主体となって独自に取組む夏祭りや自主防災活動などを支援しました。地区コミュニティの未設立3地区に対しては、地域の実情を踏まえつつ、引続き組織化を支援してまいります。
 9月上旬から11月にかけて、市内の各自治組織において、多くの敬老対象者の皆さまを招いた交流イベントが開催されました。市では、功労感謝の会支援事業として、70歳以上の敬老対象者と地域住民とが一堂に会して交流を深める事業に対し助成を行っております。
 青年企画提案事業として、農業や食に興味がある学生たちの農泊体験に関する企画提案に対して支援を行いました。この企画では、学生たちに農業や食に対する理解を深める機会を提供することができました。

2 健康福祉について

 子育て拠点施設整備としての古河赤十字病院跡地への上辺見保育所の移転、建替えについて、過日、工事発注に向けて一般競争入札を実施し、落札業者と仮契約を締結しました。本定例会において工事請負契約締結に関する議案を上程しているところであり、議決後、速やかに本契約を締結し、平成31年4月の開所を目指して工事を進めてまいりたいと考えております。
 市独自で実施している医療費助成制度について、子育て世代への経済的支援拡充の視点から、平成30年4月より制度改正を行いたく本定例会において条例改正案を上程しております。0歳から中学校3年生までを対象に医療費の自己負担額を無料にするとともに、19歳から20歳までの学生への助成については経過措置を講じながら終了させていただくことを内容としたものであります。
 11月3日に、とねミドリ館において「Koga障がい者フォーラム2017」を開催しました。記念講演の講師としてマラソンで活躍された松野明美氏を招き、約1,300人の参加がありました。今後も、障がいのある方が心豊かに安心して暮らせるまちづくりを推進します。
 高齢者福祉計画・第7期介護保険事業計画の策定を進めており、10月26日に第2回策定委員会を実施しました。計画の策定後には、計画の実行に必要な市介護保険条例の改正を予定しています。
 産前産後サポート事業について、今年度は助産師等の専門家に気軽に相談でき、母親同士の交流が図れる育児教室を実施しています。妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援を行うことで、妊産婦のサポート体制の充実を図ります。

3 教育文化について

茨城国体は、平成31年9月に開催が予定されています。古河市では公開競技として綱引競技、デモンストレーションスポーツとして少林寺拳法が開催されます。開催種目の普及促進を図るため、9月17日に中央運動公園総合体育館で「古河市第2回綱引フェスティバル」を開催しました。市内外から多くのチームが参加し、白熱した試合が繰り広げられました。今後、市内から国体に出場するチームが出ることを期待するとともに、国体の開催準備を本格的に進めます。
 科学への理解と関心を深め、次世代を担う青少年を育成することを目的に、11月11日に中央運動公園総合体育館で「第20回青少年のための科学の祭典古河大会」を開催しました。出展ブースでは「化石のレプリカ作り」や「電子ルーレット作り」など、さまざまな実験や工作が行われました。また、第20回開催を記念した県自然博物館学芸員による恐竜についての講演会には、多くの参加者が耳を傾けました。
 11月15日に、とねミドリ館で開催した「第9回古河市中学生の主張大会」では、市内中学校2年生の代表者が参加し、日常生活や社会の動向、将来の古河市等について、日ごろから考えていることの発表がありました。この大会を通じ、生徒間のより良い関係が育まれ、思考力、判断力、表現力の育成が図られたものと考えます。
 市内小学生を対象に行う環境学習の一環として、三国橋のたもとにある「わたらせ水辺の楽校(がっこう)」を拠点に自然体験イベントを実施しています。11月26日には、野鳥観察を行いました。今年度実施した全4回のイベントには、延べ224人の子どもたちが参加し、水辺に生息する生き物や植物を観察し触れることで、自然を大切にする心を育んでくれたことと思います。
 ユーセンター総和は平成3年の開館から26年が経過し、空調設備の老朽化が著しく、毎年のように修繕を行ってきました。現在、貸館業務を停止し、メンテナンス性に優れた空調設備への改修工事を実施しています。12月中に工事を完了し、来年1月4日からの貸館業務の再開を予定しています。
 また、これまでユーセンター総和第3駐車場として活用していた古河赤十字病院跡地が、子育て支援拠点施設の整備計画に関連し使用できなくなることから、第2駐車場に隣接するJA茨城むつみ上辺見支店跡地を新たに取得し、駐車台数を確保することとしました。

4 産業労働について

 10月から11月にかけて「古河関東ド・マンナカ祭り」、「古河菊まつり」、「古河よかんべまつり」などが開催され、各会場とも多くの来場者で賑わいました。特に、古河関東ド・マンナカ祭りでは、市内の女子高校生の提案によるさまざまな仮装によるハロウィーンパレードが初の試みとして行われ、祭りを大いに盛り上げていただきました。
 フィルムコミッションについて、4月から10月までに現在放送中のTBSテレビ日曜劇場「陸王」を含む11件の映画やテレビの撮影が行われました。今後も、引続き市のプロモーションのため、さまざまな撮影の支援を行います。
 市内の観光資源の一つであるハナモモに着目し、現在、ハナモモを原材料とするアロマオイルの開発と商品化に向けた準備を進めています。今後も特産品の開発を進め、3年後の東京オリンピックの開催に合わせたインバウンド効果も視野に入れながら、観光の振興を進めます。
 県の青果物銘柄産地に指定されている古河市の「惚(ほ)ろにがうり」について、いばらき大使である佐藤雄一シェフを招き、市内の7つの飲食店の料理人を対象に、惚ろにがうりのメニュー化に関する調理講習会や意見交換会を実施しました。今後、惚ろにがうりを活用した新しいメニューの開発が市内飲食店の活性化に繋がることを期待しています。
 農業者が高収益な作物等に転換する取組を総合的に支援するため、産地パワーアップ事業として、それらの事業費の一部について助成を行うことで、意欲ある農業者の儲かる農業づくりを支援します。

5 生活環境について

 11月11日に中央運動公園総合体育館で「ECOフェスタ古河2017」を開催し、多くの参加がありました。地球温暖化や土壌汚染、廃棄物処理等のさまざまな環境問題の現状や取組、市の自然環境等を確認するなど、環境保全活動に関する情報の提供や意識の啓発を図りました。
 11月25日に「第26回全国消防操法大会茨城県代表選考会」が茨城県立消防学校を会場に開催されました。県内の各地区代表チームの中、県西地区大会を勝ち抜いた古河市消防団第11分団が、日ごろの鍛錬の成果を存分に発揮し、古河市消防団として初の優勝の栄誉に輝きました。来年秋に開催予定の全国大会での活躍が期待されます。
 古河市斎場の駐車場拡張整備について、工事が完了し、11月1日から拡張した駐車場がご利用いただけるようになりました。拡張による71台分を加えて、合計165台分の駐車が可能となりましたので、これまで不便をおかけしていた施設の利用環境が、大幅に改善されたものと考えています。
 住宅・建築物耐震改修促進事業について、7月から9月にかけて木造住宅耐震診断を10戸、木造住宅耐震改修訪問相談を5件実施しました。今後も暮らしの安全性向上のため、木造住宅の耐震改修の促進に努めます。
 生活に欠かせない水道水を安定して供給するため、特に老朽化が著しい石綿セメント管から耐震性配水管への布設替えを実施しています。10月20日現在において、古河地区で1,260m、総和地区で404mの工事が完了しました。今後も安全で強靱な水道施設の維持管理に努めます。
 農業用水の水質保全と農業集落の生活環境の改善を図ることを目的に、公共下水道全体計画区域外地区において汚水処理施設を整備しています。これまでに総和地区の5地区、三和地区の6地区において供用を開始しています。また、平成29年度から名崎南部地区の整備事業に着手しており、早期の供用開始を目指します。

6 都市基盤について

 市における地域公共交通網形成計画の策定について、公共交通の利用状況や要望を調査するため、市民4,000人をはじめ、デマンド交通利用登録者やぐるりん号利用者、鉄道や民間路線バス利用者を対象に、アンケートを実施しました。今後、アンケート結果をもとに、市の公共交通に関する現状や課題を整理し、持続可能な公共交通網の構築を進めます。
 筑西幹線道路の延伸区間である柳橋下大野線拡幅整備について、10月に仮設道路への切替え工事が完了しました。今後は、道路改良工事や渇水期に合わせた橋梁工事を行い、平成32年度中の整備完了を目指します。
 国道4号と古河駅東部土地区画整理事業地区を結ぶ桜町上辺見線南町工区整備事業について、9月末現在において、用地取得率が約80%まで進みました。今後も、電線共同溝の移設に関して国の機関等と協議するなど、継続して事業に取組みます。
 仁連地区の新産業用地開発事業について、現在、開発許可申請に向けた関係機関との協議や実施設計を実施しています。今後は、事業の進捗状況に応じて、区域内の山林の一部伐採や伐根工事の実施を予定しています。
 身近な生活道路の整備について、10月末現在で、道路新設改良工事18路線、道路補修工事18路線、歩道橋補修工事を含め橋梁補修工事4橋を発注したほか、用地取得4路線の契約を締結しました。引続き、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に取組みます。

7 行財政について

 市が有する私債権において、市職員が直接回収することが困難な案件について、平成27年7月から弁護士法人への債権回収委託を実施しています。着実に成果が表れ始めていることから、今後は委託対象の拡大を図り、私債権の積極的な回収に努めます。
 市公式ホームページについて、さらに利用者が閲覧しやすく検索しやすいページにするため、現在リニューアル作業を進めています。来年の3月上旬には新たなホームページを皆さまに公開させていただく予定です。
 市民の皆さまへの市政情報の発信として、これまで毎月1日に発行していた「広報古河」および毎月1日と15日に発行していた「お知らせページ」について、さらに見やすい紙面とするため、レイアウトの刷新やお知らせページの広報紙面への一体化を進めています。新たなレイアウトでの広報紙は平成30年1月号から配布させていただき、今後は毎月1日のみの発行とさせていただく予定です。
 市職員の研修として、法令遵守を徹底するため、全職員を対象としたコンプライアンス研修を11月に実施しました。今後も継続して実施してまいります。また、若手職員の政策立案能力を養成するための政策形成セミナーや市民の皆さまに親しまれる職員を目指すための接遇向上研修、関係法令の解釈運用や条例および規則等の立案能力の向上を図るための政策法務研修を実施しています。年明けには、管理職のマネジメント能力を高めるための研修を実施する予定です。

(むすびに)

 月日が流れるのは早いもので、私が市長に就任して1年が経過しようとしています。この間、市民の皆さまとの「対話」や、現場主義に基づく「行動」を重ねる中で、数多くの市政に関する「気づき」がございました。
 今やらなければならないことについては着実に実行し、その成果を市民の皆さまに実感していただけるよう最大限努めてまいります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

 平成29年12月5日

 古河市長 針 谷 力