平成30年第2回古河市議会定例会「市長報告」(平成30年6月5日)

更新日:2020年11月30日

 平成30年第2回古河市議会定例会の開催にあたり、市における主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

はじめに

 まず、市議会議員各位におかれましては、4月の市議会臨時会において、条例改正案に対する再議をお願いし、慎重なるご審議をいただいたところでありますが、スムーズかつ着実な市政運営を実現し、現在の市における行政課題の解決やこれからの都市間競争を勝ち抜くために必要なものでありましたことに、あらためてご理解を賜りますようお願い申し上げます。
 3月の市議会定例会において、平成30年度の施政方針として「未来(あした)に向かい着実に前進する年」とする決意をお示しいたしましたが、新年度に入り2か月が経過し、市が実施すべき施策や事業が着々と進み始めております。
 平成30年度予算は、私が市長に就任して実質的に初めて詳細に編成したものであり、それに基づく市役所各部の事業の執行につきましては、市民の皆さまに市の確かな前進を実感していただけるよう努めてまいります。そのために、市役所の各部長による部の経営方針として、業務の達成目標の明確化やその進行管理を徹底させ、効率的かつ効果的な行政運営を目指すこととしたところであります。

 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 関東4県の県境にある自治体間で相互協力を進めている「関東どまんなかサミット会議」について、昨年10月に新たに小山市が加入したことで、本年4月から「公の施設の相互利用」に小山市の32施設が加わりました。今後も広域的な連携をさらに深め、魅力ある圏域の形成や圏域全体の活性化に向けた取組を続けます。
 本年1月に締結した古河市と学校法人晃陽(こうよう)学園及び盈科(えいか)学園との包括的な連携協力に関する協定に基づく新たな試みとして、4月13日にはなももプラザにおいて、両学園18名の学生と私自らが参加した「まちづくり懇談会」を開催しました。市内外から通学し両学園で学ぶ若者たちからは、市内に「新しいカフェ」や「映画館」、「ショッピングモール」が必要であるなどの率直な意見をいただくことができました。
 自治組織の運営について、4月27日にとねミドリ館において、自治会や行政区、計224団体の代表者及び20の地区の正副地区長の皆さまに委嘱状を交付させていただき、円滑な自治活動や地域主体のまちづくりについて、ご協力をお願いしました。
 市民の皆さまからの市政に対するニーズ等を把握するため、8月以降に満18歳以上の男女3,000人を対象とした市民アンケート調査を実施します。合併後の社会変化の中で、市が解決すべき課題やこれまでの市の取組についてのご意見などを調査し、今後のまちづくりに役立てたいと考えています。
 男女共同参画の推進として、今年度は「古河市男女共同参画都市宣言」10周年を迎えることから、来年2月の男女共同参画週間において記念フォーラムの開催を予定しています。現在、フォーラム開催のための実行委員会を立ち上げる準備を進めています。

2 健康福祉について

 0歳から中学3年生までを対象とした医療費の自己負担額の無料化を4月から実施しています。この独自の医療費助成制度の実施により、子育て世帯の経済的負担の軽減を図り、次世代を担う子どもたちの健やかな成長を支援するとともに安心して子育てができる環境づくりに努めます。
 新生児の聴覚検査に対して、4月から3,000円を上限とした費用の助成を始めました。聴覚検査の受診を促すことで、先天性の聴覚障がいを早期に発見でき、聴覚障がいによる音声言語発達等への影響を最小限に抑えられるよう取組を進めます。
 また、産後2週間及び1か月の産婦を対象に、4月から5,000円を上限とした健康診査費用に対する助成を始めました。産婦の状況を早期に把握することで、必要かつ適切なサービスを提供するための体制を確保し、産後うつや新生児への虐待の予防を図ります。
 誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちづくりを目指し、3月に株式会社常陽銀行と「高齢者等見守り活動に関する協定」を締結しました。これまで34の事業所と同協定を締結しています。今後も地域の民間企業や団体等との協力体制を強化し、高齢者等の見守り活動の充実を図ります。
 子育て拠点施設の整備として、待機児童等の解消を目的に古河赤十字病院跡地東側において、上辺見保育所移転改築工事を進めており、先ごろ建物の棟上げが完了したところです。来年4月の開所を目指し、引き続き工事等を進めます。また、跡地西側については、民間活力導入の可能性に関する調査を4月から開始しています。

3 教育文化について

 これまで進めてきた教育用タブレット端末の導入について、「古河市教育振興基本計画」で掲げた、「児童、生徒3.6人に対して1台」の配置を目標に整備を進めています。今年度は、小学校に約200台のタブレットを配置するとともに、教科書の表示や児童の発表に使用できる大型デジタルテレビの整備を順次進めることで、学習環境のさらなる充実に努めます。
 放課後児童クラブについて、民間のノウハウを活用し、より専門的な運営を図るため、本年4月からの3年間、民間事業者と運営委託契約を締結しました。また、さらなる児童クラブの利用ニーズを充足させるため、古河第七小学校及び仁連小学校において、4月からそれぞれ1単位の施設を増設したところです。
 自然体験を通じて、地域や学年を超えた子どもたちの交流活動を促進するため、「ワイルドダッシュ」と銘打った体験活動を実施しています。5月19日には、小学4年生から6年生までの20名が「自転車でかすみがうら市を走ろう」と題したサイクリングプログラムに挑み、およそ25kmの道のりを駆け抜け、霞ヶ浦の雄大な景色と季節の味覚を堪能しました。
 3月11日に開催した「第6回サンスポ古河はなももマラソン」について、中央運動公園陸上競技場のトラック改修後初の開催となった本大会では、全国各地から集結した約13,000人のランナーが古河の各所を駆け抜けました。約3,400人の大会ボランティアやスタッフ、沿道で応援していただいた多くの市民の皆さまのご協力により、大会は大いに盛り上がりを見せました。

4 産業労働について

 中小企業等の生産性向上を目的とした特別措置法の成立を受け、市において、先端設備等の導入の促進に関する計画の策定を予定しています。これに基づき、中小企業等の特定の設備投資に対して固定資産税の特例措置を講じるなどの支援を行います。
 市内への定住促進のため、市外から転入して住宅を取得する若者子育て世帯に対する定住促進奨励事業について、平成29年度は二世帯同居奨励金を含めて212件、9,926万円の交付を決定し、666人の転入に結び付けることができました。この結果、転入者が転出者を329人上回ることとなりました。さらなる定住促進を図るため、このほど住宅金融支援機構と住宅ローンの金利優遇に関する協定を締結したところです。
 農産物のPRとして、県銘柄産地指定作物である「バラ」、「にんじん」、「サニーレタス」、そして「ニガウリ」を野菜産地づくりや花き産地づくりの軸として消費宣伝活動を行っています。5月19日には、東京大田市場において、私自らもJA茨城むつみの組合長やにんじんの生産者と一緒に、市場関係者や仲卸業者に対してセールスを行いました。
 3月下旬から4月上旬にかけて古河公方公園で開催した「第42回古河桃まつり」は、大井川県知事が初めて来場されたほか、これまでのPR活動の効果もあり、観光バスでの来場者や外国人観光客の姿も多く見られ、期間中の来場者数はおよそ17万人にのぼりました。
 また、4月上旬にネーブルパークで開催された「第5回古河さくらまつり」は、市内商工業の皆さまからの多くの出店やさまざまなステージイベントが行われ、満開の桜の中、多くの来場者で賑わいました。
 新たな観光資源の創出として、昨年度は歴史や文化資源、さらには農業体験やものづくり体験など、地域の魅力を活かしたツアーを企画しました。今年度は市の花である「ハナモモ」によるアロマ開発のチャレンジとして、現在、ハナモモの花びらから成分を抽出、精製し、サンプルの製造を進めており、今後サンプルによるモニター調査を実施したのち、来年度の商品化を目指しています。

5 生活環境について

 市内河川の洪水等による水災を警戒及び防御し、これによる被害を軽減することを目的として、本年3月に「古河市水防計画」を策定しました。また、県による「茨城県国土強靭化計画」が策定されたことを受け、市においても、確かな防災や減災等を実現するための、「(仮称)古河市国土強靭化計画」の策定を進めています。
 密集市街地である古河駅西口地区の消防力の強化や充実を図る観点から、この地区での常備消防施設の整備を目指し、現在、整備候補地の選定などに向けて、茨城西南地方広域市町村圏事務組合との協議をスタートしたところです。
 市内の防犯灯などの照明器具について、環境負荷の低減、電気料金や維持管理費の効果的な削減のため、一斉にLED化することを予定しています。その実施手法として民間事業者の優れたノウハウを活用することを目的に、5月にプロポーザル方式による受託事業者の募集を実施しました。
 4月21日に実施した渡良瀬遊水地クリーン作戦では、107団体2,330人の皆さまの参加により、計1.4tものごみを収集していただきました。今後も、自然環境やまちを美しく保つために、古河市で生活する多くの皆さまとの協働による清掃活動等にご協力をお願いいたします。
 上水道の整備について、安全、強靭、持続を踏まえて策定した「古河市水道事業第2次基本計画」に基づき、老朽化した施設の改良や石綿セメント管の布設替工事を進めています。また、下水道の整備として、快適な市民生活や河川の水質を保全するため、市内各地区において管きょ整備を進めています。

6 都市基盤について

 古河市地域公共交通網形成計画について、昨年度実施したアンケート調査等によって得られた現状や課題を整理し、4月に開催した市公共交通活性化会議において中間報告をしたところです。今後は、市民の皆さまの意向や将来的な需要予測を踏まえた計画を策定し、皆さまの生活の支えとなる持続可能な公共交通網の構築を目指します。
 都市計画マスタープラン及び立地適正化計画の策定について、昨年度までに、都市計画マスタープランでは全体構想等を検討し、立地適正化計画では都市機能誘導区域及び居住誘導区域等について検討したところです。今後はその内容について、策定委員会や都市計画審議会で精査したのちに住民説明会やパブリックコメントを実施するなど、市民の皆さまのご意見を踏まえながら計画の策定を進めます。
 仁連工業団地及び仁連江口線の整備について、本年3月に関係地権者に対して説明会を開催しました。現在は、工業団地予定地の伐採、整地工事を実施しており、秋には調整池の工事を予定しています。引き続き関係工事を着実に進め、立地ポテンシャルを活かした工業の振興と企業誘致を進めます。
 身近な生活道路の整備について、15路線の道路新設改良工事をはじめ、45路線の道路補修工事、4橋の橋梁補修工事、6路線の用地取得を進めています。老朽化により道路の補修箇所が増加している中、限られた予算を計画的に活用し、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に努めます。
 古河駅東部土地区画整理事業について、大画地の保留地を住宅モデル街区として、この6月に一般競争入札により売却することを予定しています。また、西牛谷辺見線の整備として、国道125号から旭町今泉線までについて、10月中には2車線の暫定供用が開始できるよう、引き続き道路改良及び舗装工事を実施します。
 (仮称)南古河新駅設置について、昨年度実施した基礎調査の結果を地元住民の皆さまにお示しするため、5月下旬から報告会を実施しており、7月中旬までに周辺住民の方も含め、計8回の開催を予定しています。

7 行財政について

 市公式ホームページ利用者の利便性を高めるため、3月に全面リニューアルを実施したところですが、さらにリアルタイムで市の行政情報を広範囲に発信できるよう、スマートフォン用自治体アプリの導入に向けた準備を進めています。
 広報古河について、本年1月から紙面レイアウトの全面改定を実施するなど、市民の皆さまに親しまれる広報づくりを進めています。より魅力的な広報紙とするため、年数回表紙に市内風景のイラストを使用し、好評を博しているところです。
 市役所にお越しになったお客様への窓口サービスの向上として、5月から、各庁舎の窓口担当部署の管理職自らが腕章を付けて案内人となり、お客様が必要とする窓口にご案内する対応を始めました。このような取組により、市役所でのお客様の不安解消や満足度の向上を図ります。

むすびに

 今年度の市政運営にあたりましては、人口減少や公共施設の老朽化等、現在古河市が抱えている課題を市民の皆さまと共有し、様々な機会を設け皆さまからの率直なご意見をお伺いすることで、課題解決への端緒を開いてまいりたいと考えております。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

 平成30年6月5日

 古河市長 針 谷 力

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