平成30年第4回古河市議会定例会「市長報告」(平成30年12月4日)

更新日:2020年11月30日

 平成30年第4回古河市議会定例会の開催にあたり、市における主要な施策及び事業の執行状況等について、ご報告いたします。

はじめに

 まず、9月に相次いで発生した台風21号及び24号による災害、また、北海道胆振(いぶり)地方を震源としたマグニチュード6.7の地震による被害で亡くなられた多くの方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆さまに謹んでお見舞いを申し上げます。
 先ごろ、法令違反により市職員が逮捕された不祥事につきまして、このほど事実関係を確認したうえで、地方公務員法及び市職員懲戒処分等の基準等により職員を停職処分とし、併せて、管理監督責任として市長及び副市長の給与の減額措置を講じたところです。この不祥事は公務の信用を著しく失墜させるものであり、市民の皆さま及び議員各位に深くお詫び申し上げますとともに、今後の信頼回復に全力で取り組んでまいる所存です。
 さて、この秋に市内各所で開催しました様々なイベントや行事につきまして、多くの市民の皆さまにご参加をいただき、各イベント会場は大いに盛り上がりを見せました。一方で、古河マルシェや古河地区市民運動会につきましては、天候不順により、やむを得ず中止とさせていただいたところですが、準備等にご協力をいただいた多くの皆さまに感謝申し上げます。
 それでは、以下、第2次古河市総合計画の施策体系に沿って、主要な施策等の実施状況及び進捗状況について、ご報告させていただきます。

1 市民協働について

 市民の皆さまからの市政に対するニーズ等を把握し、今後の政策立案の基礎とするため、8月から9月にかけて、満18歳以上の男女3,000人を対象とした市民アンケート調査を実施しました。市の先導的プロジェクトへの関心度、市の取組への満足度や重要度などについて、1,003件の回答をいただきました。この調査結果は広報古河12月号や各庁舎の窓口、市ホームページにおいて公開しています。
 10月6日に、お休み処坂長において、「新成人等と市長とのまちづくり懇談会」を開催しました。市政運営に若い世代の声を反映させるために、今年度の成人式典実行委員の皆さんや晃陽学園の学生の皆さんなどにお集まりいただき、市が「魅力あるまち」、「住み続けたいと思えるまち」となるための、若者の視点からのアイデアやご意見を頂戴しました。
 10月26日と27日の2日間、福島県内において、行政自治会の視察研修が開催されました。106名の自治会長や行政区長の参加があり、東日本大震災の実体験に基づく「自分の身は自分で守る」を防災の基本とした震災講話研修が行われ、参加者の防災意識の向上に寄与したものと考えます。
 11月11日に、古河福祉の森会館において、男女共同参画講座「男が働かない、いいじゃないか」を開催しました。大正大学准教授の田中俊之氏による男性学の視点から見た新しい男性の生き方の提案に対して、参加者の皆さまは熱心に耳を傾けていました。
 9月から11月にかけて、「市長と語ろう まちづくり」を9つの会場で開催しました。今年度は「防災」や「減災」をテーマに市民の皆さまと意見交換等を行い、貴重なご提案もいただくことができました。今後も市民の皆さまとの対話を重視し、市民参加のまちづくりを進めてまいります。

2 健康福祉について

 健康への意識や地域の健康課題を把握するため、9月に市民健康意識調査を実施し、現在、6つの年齢区分の分析を行っています。今後、この調査結果を踏まえ、乳幼児期から高齢期までの生涯各期における健康づくりの支援体制を構築するための「第3次古河市健康づくり基本計画」の策定を進めます。
 児童の発達支援のため、新たに放課後等デイサービス事業が10月1日から「児童発達支援センターぐるんぱ」において、ご利用いただけるようになりました。今後も、支援が必要な児童の健全育成のため、児童発達支援体制の充実や療育の質の向上を図ります。
 子育て拠点施設整備としての上辺見保育所の移転改築工事について、建築工事に続き、11月から外構工事や道路工事に着手しました。来年4月の開所を目指して工事を進め、引き続き、待機児童等の解消に努めます。
 11月11日に、県立古河中等教育学校において「Koga障がい者フォーラム2018」を開催し、古河中等教育学校や古河第二高等学校からの学生ボランティアをはじめ、多くの方に参加いただきました。障がい者の社会参加を促進するとともに、障がいのある方に対する理解を深めていただけたものと考えます。

3 教育文化について

 来年開催される「いきいき茨城ゆめ国体2019」に向け、9月2日に、はなもも体育館において、国体のリハーサルを兼ねて「第3回古河市綱引フェスティバル」を開催しました。県内から50チーム、県外から6チームのおよそ600名に参加いただき、白熱した試合が繰り広げられました。また、来年の国体本番を想定し、各関係団体と大会運営の確認を行うことができました。
 八俣小学校児童クラブについて、レンタル契約に基づく整備が完了し、9月から新たな施設の運営を開始しています。定員80名に対し64名の児童が利用しており、地域の児童クラブに対する利用ニーズの充足に寄与しているものと考えます。
 これまで整備を進めてきた三和地域交流センターについて、1年6か月にわたる工事が完了し、10月23日に施設の愛称を「コスモスプラザ」として、竣工式典を挙行しました。議員各位をはじめ、多くの関係者の皆さまにご列席をいただき、三和地区の中学校3校の吹奏楽部による合同演奏会が行われるなど、式典に華を添えていただきました。
 11月1日に、ユーセンター総和で開催しました「第10回古河市中学生の主張大会」では、市内各中学校の2年生の代表者が、自らの思いや悩みなど、日頃から考えていることを作文にして発表しました。この大会を通して、生徒の思考力や判断力、表現力が育まれ、また、中学校間や生徒間のより良い交流が図られたものと考えます。
 11月10日に、はなもも体育館において「第21回青少年のための科学の祭典古河大会」を開催しました。会場では、液体窒素や電子レンジを使った実験、手作りロケットの打ち上げ体験など、科学を身近に感じられる様々な催しが行われ、来場者の科学への理解と関心が深まったものと期待しています。

4 産業労働について

 県の銘柄産地に指定されている「惚(ほ)ろにがうり」について、さらなるブランド化を図るため、9月26日に晃陽看護栄養専門学校において、調理師を目指す学生を対象に、市の農産物ブランディングアドバイザーの藤原浩氏や県の食のアドバイザーの眞中秀幸氏を講師とした調理講習会や意見交換会を県との共催で実施しました。
 古河の秋の風物詩として、10月から11月にかけて、市内各地で「古河関東ド・マンナカ祭り」、「さんさん祭り」、「古河よかんべまつり」、そして「古河菊まつり」などが盛大に開催されました。それぞれ特色あふれるイベントの開催にご支援をいただいた多くの関係者の皆さまに感謝申し上げます。
 市内にある古民家等の活用による地域経済の活性化や観光振興を図ることを目的に、10月9日に古河市と「一般財団法人茨城県古民家再生協会」、「HomeAway株式会社」、「楽天LIFULL STAY株式会社」との4者による「歴史的建築物活用に関する協力協定」を締結しました。これによる取組として、2020年までに恩名にある古民家を宿泊施設として活用できるよう協議が進められています。
 10月14日に、都内在住等で古河市にふるさと納税をしていただいた10組20名の方々の参加による市内観光ツアーを実施しました。今回は64組の応募の中から10組の抽選とし、当日開催されていた「古河関東ド・マンナカ祭り」への来場や農家訪問、道の駅まくらがの里こがでの買い物など、参加者の皆さまには市の魅力を大いに満喫していただけたものと考えます。
 企業誘致を強く推進するため、9月11日から14日にかけて、東京ビッグサイトで開催された国際物流総合展において、造成中の仁連工業団地などの立地環境や市の魅力についてのPRを行い、また、11月30日には県主催の「茨城県産業立地セミナーin大阪」に参加し、仁連工業団地のプレゼンテーションを行うなど、関西圏の企業を中心に古河市への企業進出を呼びかけました。

5 生活環境について

 市内の空家等について、地域の安全確保と良好な生活環境の保全を図るため、10月末までに149件の相談に対応し、適切に管理されていない空家等の所有者に対して改善依頼を通知しました。利活用が可能な空家等については、流通や有効活用を促進するために、現在、「全国版空き家・空き地バンク」への登録準備を進めています。
 10月19日に富山県広域消防防災センターで開催された「第26回全国消防操法大会」に、古河市消防団第11分団が茨城県代表として出場しました。日頃の鍛錬の成果を存分に発揮し、古河市消防団として初出場にして、見事準優勝に輝きました。
 市内の防犯灯などの照明器具について、環境負荷の低減や維持管理コスト削減のため、11月からLEDタイプへの交換を進めており、今年度末までの工事完了を目指しています。今後の維持管理にあたっては、包括的なリース方式を採用することでコストの低減化を図るなど、安全で安心できるまちの環境づくりに努めます。
 下水道の整備として、快適な市民生活や河川の水質を保全するため、市内の管路施設の整備を進めています。10月末現在において、古河地区で1,120m、総和地区で896m、三和地区で234mの整備が完了しました。今後も事業認可区域内の整備を推進し、下水道の普及促進を図ります。
 地球温暖化等の環境問題を市民の皆さまと共に考え、環境保全活動への意識の啓発を図るため、11月10日に、はなもも体育館において「ECOフェスタ古河2018」を開催しました。実践して学べる体験ブースには多くの子どもたちが参加し、楽しみながら環境問題を学ぶ姿も見られました。
 古河駅西口地区の常備消防施設の整備について、整備候補地を選定しましたことから、本定例会において、用地取得に関する補正予算案を上程しているところです。引き続き、茨城西南地方広域市町村圏事務組合との調整や協議を進め、年度内での用地取得に取り組みます。

6 都市基盤について

 新4号国道と圏央道境古河インターチェンジを結ぶ国道354号古河境バイパスの整備促進に向けて、10月1日に古河市と境町による「国道354号古河境バイパス整備促進期成同盟会」を設立し、10月24日に国土交通省や財務省等へ早期整備の要望を行いました。今後も、関係団体と連携を図りながら、早期完成に向けた要望活動を行ってまいります。
 仁連工業団地の整備について、事業地の伐採、整地工事が概ね完了したことから、本定例会において道路改良や造成等の工事請負契約の締結に関する議案を上程しているところです。引き続き、関係工事を着実に進め、立地ポテンシャルを活かした企業誘致を進めます。
 古河駅東部土地区画整理事業地内の国道125号から旭町今泉線までの区間の道路整備について、10月末の供用開始を予定していましたが、現在においても茨城県警との信号機の設置協議が継続中であることから、開通を延期しているところです。信号機の設置後には、速やかに供用を開始する予定です。
 古河市地域公共交通網形成計画について、運行事業者等で組織する市公共交通活性化会議ワーキングチーム会議において、課題解決のための施策についての協議を重ね、素案を作成したところです。今後は、この素案についてのパブリックコメントを実施し、皆さまからのご意見を反映した計画を策定する予定です。
 身近な生活道路の整備として、10月末現在で、道路新設改良工事14路線、舗装補修工事21路線、道路補修工事8路線を発注し、用地取得6路線の契約を締結しました。引き続き、安全で快適な生活道路の整備や維持管理に取り組みます。

7 行財政について

 多くの皆さまにリアルタイムで市からの新着情報等を入手していただけるよう、スマートフォン用自治体アプリの導入を進めています。このアプリでは、子育て日記帳やごみ出しカレンダー、観光ルート案内などのコンテンツの開発も検討しており、年度内のアプリの完成及び供用開始を予定しています。
 市が有する私債権のうち、市職員による回収が困難な事案について、弁護士法人に債権回収を委託しているところです。この取組による回収業務のほか、弁護士法人への委託を知らせる通知のみで自主返納が促進されているなどの効果もあり、私債権の回収についての着実な成果が表れています。
 市職員における法令遵守の徹底や能力向上のため、これまでにコンプライアンスや接遇等についての研修を実施してきたところですが、市職員が逮捕されたことや市職員の公務中の問題行動などの不祥事をうけ、改めて全職員に対して服務規律の徹底を強く指示したところです。今後も継続して研修を実施するなど、市職員のコンプライアンス意識や公務員倫理の向上に努めます。

むすびに

 以上、現在実施している事業等についてご報告させていただきました。私が市長に就任してからこれまで、「市長と語ろう まちづくり」を始めとし、様々な機会を通して市民の皆さまと数多くの「対話」を重ねてまいりました。その中において、皆さまの地域に対する強い「想い」に改めて気付かされ、市民の皆さまとその「想い」を共有しながら「市民と共に未来に誇れるまちづくり」を進めなければならないものと強く感じているところであります。
 議員各位をはじめ、市民の皆さまのより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、市長報告とさせていただきます。

 平成30年12月4日

 古河市長 針 谷 力

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