渡良瀬遊水地
渡良瀬遊水地
概要
渡良瀬遊水地は、東京から約60キロメートルに位置し、茨城県古河市、栃木県栃木市・小山市・野木町、群馬県板倉町、埼玉県加須市の4県の県境にまたがる日本最大級の遊水地であり、渡良瀬川、思川、巴波川の3河川が流れ込んでおります。 渡良瀬遊水地は、南北に約9キロメートル、東西に約6キロメートル、周囲の長さが約30キロメートルで堤防や台地により囲まれています。面積3,300ヘクタール、総貯水容量2億平方メートルの日本最大の遊水地です。栃木県(栃木市・小山市・野木町)が面積の約9割である2,980ヘクタールを占め、茨城県古河市が100ヘクタール、群馬県板倉町が140ヘクタール、埼玉県加須市が80ヘクタールとなっております。
歴史
明治43年から大正11年にかけて実施された渡良瀬川改修工事により、現在の遊水地となりました。それ以前の渡良瀬川は遊水地の西側を海老瀬七曲がりといわれるように曲がりくねって流下し、思川、巴波川は現在の渡良瀬川に合流していました。 この遊水地を調節池化して洪水調節効果を高めようと計画が施されたのは、昭和22年のカスリーン台風による大出水を契機に策定された昭和24年の利根川改修改訂計画に基づいています。調節池化工事は昭和38年から始まり、第1調節池は昭和45年、第2調節池は昭和47年に概成しました。第3調節池は巴波川上流の改修計画の進捗にあわせて平成9年に完成しました。利根川では、2~3年の間隔で渇水による取水制限が行われている状況です。このため、供給地に近い第1調節池に渡良瀬貯水池(谷中湖)を建設し利根川上流域のダム群と連携を図って平成2年より、渇水時に水の補給をしています。
ラムサール条約
1971年(昭和46年)にイランのラムサールで「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。開催地にちなみ、「ラムサール条約」と呼ばれています。 渡良瀬遊水地は2012年(平成24年)7月3日にラムサール条約湿地に登録されました。渡良瀬遊水地の本来の目的である治水機能の充実を図りながら、多様な動植物が生息する湿地の自然環境を保全・再生し、その適切な利用を促進します。
自然
遊水地で確認されている動植物は、関東地方の主な湖沼と比べ、その種類数は群を抜いています。これまでに約1,700種の昆虫・約1,000種の植物・264種の野鳥(日本で見られる野鳥の約半分)が確認されています。
(左)ミミズク、(中央)サルスベリ、(右)白鳥
利用・イベント
利用形態は散策・休憩が多く、社会動向に呼応して、野外レクリエーションや健康づくり、自然観察、史跡見学等ができることも特徴となっています。また、マラソンやカヌー大会などのイベントが定着してきています。
ヨシ焼き
渡良瀬遊水地は周辺地域や利根川沿線を洪水から守る治水機能と、水道水等を供給する利水機能を有する施設です。遊水地の大部分を占めているヨシ原のヨシ焼きは、ヨシに寄生する害虫の駆除、野火による周辺家屋への類焼防止、また貴重な湿地環境の保全等を目的として実施しています。
アクセス(中央エントランス)
○電車をご利用の方
・JR宇都宮線「古河駅」より徒歩50分(5キロメートル)
・東武日光線「新古河駅」より徒歩30分(2.7キロメートル)
・東武日光線「柳生駅」より徒歩10分(1キロメートル)
○車をご利用の方
・国道354号線三国橋より北西約3キロメートル
・東北自動車道「館林IC・佐野藤岡IC」より約20分
渡良瀬遊水地概成100年
令和4年(2022年)は渡良瀬遊水地概成から100年の節目の年となります。利根川・渡良瀬川の洪水被害を軽減するため建設された渡良瀬遊水地について、建設に至った地理的・社会的要因や改修計画の概要について 国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所で特設ページが公開されました。
渡良瀬遊水地概成100年特設ページ(国土交通省関東地方整備局利根川上流河川事務所HP)
また、100年前の渡良瀬遊水地の様子が描かれている「渡良瀬川改修竣工図(大正11年)」を中心に、当時の様子を伺い知ることができる多数の古図を、栃木市広報施設のハートランド城で一般公開します。
普段は公開していない古図を見ることができる貴重な機会ですので、是非お立ち寄りください。
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古河市 企画課
所在地:〒306-0291 茨城県古河市下大野2248番地
電話番号:0280-92-3111(代表)
ファクス:0280-92-3088
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更新日:2022年11月04日