スポット展示「発掘された古河~東の門西の門城跡~」

更新日:2025年04月02日

スポット展示「発掘された古河~東の門西の門城跡~」

旧長井戸沼系大川の東側に広がる山田地区の「東の門(かど)西の門(かど)城跡」は奈良・平安時代から中世まで連綿と続く遺跡です。遺構写真や出土したさまざまな資料を展示して遺跡の概要等を紹介します。

  • 会 期:令和7年3月29日(土曜日)~6月1日(日曜日)
  • 開館時間:午前10時~午後6時
  • 入 館 料:無   料
  • 休 館 日:毎週月曜日(5月5日は開館)、4月30日(水曜日)・5月7日(水曜日)・5月30日(金曜日)

 

東の門西の門城跡展ポスター

ごあいさつ

 古河市内には、いにしえの人々が生活していた痕跡(こんせき)(遺跡)が約400か所で確認されています。これらの包蔵地と呼ばれる遺跡や古墳(こふん)・城跡などが、道路や建物の建設などさまざまな要因にともなって現状変更される場合は、事前に図面や写真記録として保存していくために発掘調査が実施されます。

 今回紹介する「東の門(かど)西の門(かど)城跡」は、山田地区内の広範囲に広がる集落跡・城館跡で、県の土地改良事業にともない、平成31年1月から令和7年3月にかけて、第1次から第7次まで断続的に調査が行われました。

 その結果、弥生(やよい)時代から中世にいたる、竪穴(たてあな)建物跡や掘立柱(ほったてばしら)建物跡・溝跡・井戸跡などの遺構が数多く確認され、旧石器時代後期の石器をはじめ、弥生土器・土師器(はじき)・須恵器(すえき)・陶器・磁器・土製品・石製品・鉄製品・銅製品など、さまざまな種類の遺物も出土しました(今回の展示では、第1次から第5次調査までを中心に紹介いたします)。

 中でも、茨城県内でも数例しか確認されていない皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん)の一つ『富寿神宝(ふじゅしんぽう)』が2点出土したほか、一連の調査で、遺跡名でもある東の門西の門城跡に関わると思われる堀跡や天目(てんもく)茶碗をはじめとする陶器や磁器、鉄製品や石製品なども少なからず出土しています。

 この調査で確認されたこれらの貴重な遺構や遺物は、今後の市域の歴史・文化を考えていくうえで、たいへん重要な手がかりになるものと思われますが、その一方で、この地域では古くから山田城という城館があり、戦国時代には山田大蔵(おおくら)なる人物が城主であったという伝承もあり(今井隆助『北下総地方史』等)、裏付けとなる文献資料が少ない中で、今回の調査成果とこうした伝承をどのように結びつけていくかなど、多くの課題も見えてきます。

 今回の展示をとおして、この地域の歴史や、いにしえの人々の暮らしぶりに思いを馳せつつ、埋蔵文化財への関心をさらに高めていただければ幸いです。

 

     令和7年3月

古河市三和資料館

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